Tinseltown Rebellion/Frank Zappa
1981
フランク・ザッパ/ティンセルタウン・レベリオン
RCD40166 MSI
- Fine Girl
- Easy Meat
- For The Young Sophisticate
- Love Of My Life
- I Ain't Got No Heart
- Panty Rap
- Tell Me You Love Me
- Now You See It-Now You Don't
- Dance Contest
- The Blue Light
- Tinsel Town Rebellion
- Pick Me I'm Clean
- Bamboozled By Love
- Brown Shoes Don't Make It
- Peaches 3
ザッパ者としては、まず何かを紹介せねばなりますまい。タワーレコードなんかに行くと、たいていの人はその膨大なアルバム量に愕然とするばかりで、手を伸ばして
みることは少ないと思う。「いったい何やねん」と。そういった方にはまず全体像が
判りやすいアルバムをお勧めすることにしてるが、これなんかは丁度良いのではないか。アルバムの完成度としては、他にもっといいものがあるが、音的にも個人的に好きなアルバムである。
この頃の大先生のアルバムの特徴として、音源のほとんどがライブ音源であることと、驚くべきはたとえばギターソロはロンドン、歌はNYとか、、そういう色んなライブの音を混ぜこぜにしてるところである。
本作は、スタジオ録りの1曲目の"Fine Girl"(レゲエ!)以外はおそらく78年から79年くらいにかけてのツアーによるもので、"Easy Meat"のトミー・マーズによる素晴らしいキーボード・オーケストラパート以外は一切オーヴァーダブしてないとクレジットされている。聴けば判るが、そのバンドのテクのクオリティたるや、多分
世界一でしょう、、ザッパのバンドは常にそうだが。
さてそのメンバーであるが、こりゃ凄い。サイドギターにスティーヴ・ヴァイ!と後期デュラン・デュランのギターだったウオーレン・ククルロ。そしてこの
頃のドラマーといえば、テリー・ボジオの後釜として参加していた、最近のスティングのバンドやチック・コリアなどでお馴染みのヴイニー・カリウタ!!最近例の
宇多田ヒカルの武道館のライブのタイコ叩いてたらしい(笑)。小銭稼いでるなあ。
こういった、ロック・ジャズ畑のメンバーに、ごりごりにR&Bを唄うアイク・ウイリスとレイ・ホワイトの黒人ヴォーカルをのっける所が、独特なサウンドの特徴である。いわば超ハイテクロック&R&Bって感じなのだ(説明してても難しいが)
曲もさまざまで、例えば、"Love Of My Life"はばりばりのソウルバラードで、
その次にいきなり全開ユニゾンハードロックの"I Ain't Got No Heart"があって、またレゲエに戻るとか、、、、リズムを聴いてるだけでもおもしろい。それとこれもザッパのアルバムの特徴であるが、全曲、曲間なしのぶっ通しの構成なんである、、
編集?と思うでしょ、、実際彼のライブは2時間とか、まったく曲のインターバルが
無いのである。これがバンドやってる人ならいかに困難な事か判るはず。しかも
3日間ライブがあったとすると、大半の曲は入れ替えられる、、1回のツアーで
100曲くらいレパートリーするらしいから、、、、げげえ。しかもザッパの合図に
よって曲がアドリブでどんどん変わる、、、、、信じられないが事実なのである。
この頃のハロウインなんかのライブだと、いかれた客をステージに上げてアドリブでなんかやらせるとか多かったようで、ここでも"Dance Contest"でその一部が聞ける。一人の男が、ステージに上げられて「醜い!醜い!」ってずっと言ってるとか(笑)
その驚異的なライブパフォーマンスと曲づくりの才能の片鱗を一度は体験してみて
欲しい。サイケなロックも出来れば、マジの現代音楽からクラシックまで作曲できる人ってこの人くらいでしょ。
個人的には"Pick Me I'm Clean"って曲がポップでロックで大好き。でも歌詞はグルーピーの事を唄ってて滅茶滅茶だが(笑)
音的に例の特徴あるギターソロには慣れが必要だし、はまると僕のように底なし井戸に落ちるのでお勧めは100%出来ないけど、バンドのテクニックを追求してる人とかなら、一度は聴いてみてもいいと思う。
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