Psyence Fiction/UNKLE
1998

アンクル/サイエンス・フィクション
TFCK-87955 Mo Wax
  1. Intro(Optional)
  2. Guns Blazing (Drums Of Death Part One) (s/Kool G Rap)
  3. Unkle Main Title Theme
  4. Bloodstain (s/Alice Temple)
  5. Unreal
  6. Lonely Soul (s/Richard Ashcroft)
  7. Getting Ahead In The Lucrative Field Of Artist Management
  8. Nursery Rhyme (s/Badly Drawn Boy)
  9. Celestial Annihilation
  10. The Knock (Drums Of Death Part2) (s/Mike D)
  11. Chaos
  12. Rabbit In Your Headlight (s/Thom Yorke)
  13. Guns Blazing (Drums Of Death Part1)
  14. The Knock (Drums Of Death Part2)

Mo Waxというレーベルを主催するジェームス・ラヴェルが構想?年で作り上げたアルバムって事らしいが、はっきり言って一発ものの企画もの。
強力なブレイクビーツにクール・G・ラップのラップがのっかる曲でスタートするこのアルバム、その多彩なゲストによって、発売前後は話題になったものの、あまり評判のアルバムとはならなかった。しかしながら僕はこのアルバム、今でも繰り返し聴く程、お気に入りの一枚となってしまった。
上の曲のタイトルの左にs/〜って書いてあるのは、ゲストシンガーor ラッパーであるが、例えば、"Lonly Soul"では解散したザ・ヴァーブのリチャード・アシュクロフト、"The Knock"ではビースティ・ボーイズのマイクD、"Rabbit In Your Headlight"ではレディオ・ヘッドのトム・ヨークがそれぞれ楽曲を提供し、歌っている。
しかしこのアルバムの真の主役は、おそらく全曲をアレンジ、ミックスをし、インスト曲は作曲もしているDJシャドウであろう。全体のサウンドは彼の、前作で傑作の"Entroducing"ってアルバムの流れを汲むものであり、そのダークな音世界とリズムのクオリティは非常にオリジナリティが高いと思う。僕はこのDJシャドウ、めちゃくちゃドラマー的なアプローチのミックスをするDJだと思っている。とにかく自分の好みにマッチしているのだろう。多分UKロックが好きだったり、ヒップホップが好きな人がこれを聴くと、そのどっちつかずの部分が消化不良なのかもしれないが、色んな音を聴くのが好きな僕にとっては、とにかくかっこいい!と思えてしまう。
特にアリス・テンプルが歌う"Bloodstein"、このリズム感とビートの感じがめちゃくちゃ気持ちいい。この曲のBPMが80。このページのタイトルですわ。
また、リチャード・アシュクロフトの"Lonely Soul"も、これはもうロックの域を 超えた素晴らしい曲世界である。これを聴くだけでもこのアルバムを買う価値あり。
発売当時、大阪に住む僕がたまたま西麻布Yellowで開催されたこのアルバムの 発売イヴェントに行ったのもなんかの縁なんだろうが、その時もジェームス・ラヴェルがニルヴァーナの"Teens Like A Smells Spirit"を「そのまんま」掛けたりしてただ単に踊り狂いたい客を端的にあおってたのに対し、DJシャドウはアルバムとは ま〜ったく違う構成でこのアルバムを解体して聴かせていた。う〜む、やる男である。
また、"Unreal"という曲に関しては、後に"Be There"ってタイトルに改題されて シングルカットされた。これが何とイアン・ブラウンが曲とヴォーカルをつけており、原曲のさらに10倍かっこよくなっている。はっきりいって彼の仕事の中で一番いいのではないか?これがアルバムに収録されていたら もっと凄いアルバムだったのに少し残念であるが、このシングルも必聴!
アンクルとしては多分もうこれで終わりなんだろうが、DJシャドウの次にすごく期待している。"Entroducing"もここで紹介するつもり。

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