バレエ 音楽の計画 ラップ現象 ハッピー・エンド 千のナイフ キュー U.T. カムフラージュ マス 来たるべきもの

　このアルバムを機にYMOファンが激減したとも言われる「問題作」。 しかし海外のニューウェーブ系などには評価が高く、また現在聴いてみてもそれほど古さを感じさせないあたり「早すぎた名盤」だったのかも知れない。細野晴臣はこのアルバムを最も気に入っている。

　「ソリッド・ステート・・・」の延長線上のアルバムを作ることは容易に出来たであろうし、当時のファンもレコード会社もそれを望んでいたはずである。しかしYMOはそれを否定した。だからこそYMOは時代の徒花で終わらずに済んだとも言える。

　全体を通して細野色が最も前面に出ているアルバムで、後に坂本龍一はこのアルバムの製作過程が苦痛だったと語っている。そういう意味では最も教授色が強い次作との対比がまた面白い。

　「千のナイフ」でラストの一小節分ベルの音が長いのは松武秀樹がプログラミングを間違えた為。しかしそれを聴いたメンバーが「こっちの方がカッコいい！」と言った為それがそのまま採用された。
　本作に収録されている「ハッピー・エンド」は81年のライヴ(ウィンターツアー)で演奏されたものとは全くアレンジが異なっている。後者は坂本龍一のCD「アレンジメント+シングルズ」で聴くことができる。