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サンプリングという手法を用いたのはこのアルバムが世界初であると言われている。
ここで使われているサンプラーは音取りの実験用にと松武秀樹が持ち込んだORANGEというもので、サンプリング時間は1秒もないという代物。ところがメンバーは「これパーカッションとして使ったら面白いかも」と言って使い倒したそうである。「サンプリング」という言葉すらなかった時代にここまで斬新な使い方をしていることにただ驚くばかりである。サンプリングされているのはメンバーの声、工場や工事現場の音など。
最もシンセサイザーの利用が少ない(坂本龍一によると「これまでのものが7割だとすればこれは3割くらい」)アルバムで、音的には非常に乾いた感じ。民族音楽からミニマルまでを取り入れ、聴き込んでゆくうちじわじわと浸透してゆくような心地良さがある。
LPの初回プレス分のみジャケット写真が異なることでも有名。
もともとイラスト(B)がオリジナルジャケットであったが、「YMOの3人の顔が出ていないと売れない」というレコード会社の意向を受けて初回10万枚プレス分のみ(A)のジャケットに差し替えられた。(アイドルでもあるまいに)
「BGM」がセールス的には決して成功しなかったことを受けての処置であろうが、メンバーは不服であったに違いない。
「YMOとしてやれることはこの時点でやり尽くした」というコメントが残っていることからも、これが実質のラストアルバムであるという見方もある。