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YMO初のライヴ盤。1979年のワールドツアー(トランス・アトランティック・ツアー)における欧米3箇所の公演からの選曲であるが、このアルバムは実はフェイクなのである。
ツアーメンバーであった渡辺香津美のギター・パートがレコード会社の契約問題から全てカットされ、坂本龍一によるキーボード演奏(スタジオ録音)に差し替えられているが、そういうのはアリなのか?他にも高橋幸宏が「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」を歌い直す等の修正が入っている。
渡辺香津美のギター・パートがかなり重要であることはCD「フェイカー・ホリック」や「ライヴ・アット・グリークシアター」等を聴けば良く分かるが、こういうアルバムが”出来てしまった”ことはファンにとってみれば非常に喜ばしい事態である。 何と言っても差し替えられた坂本龍一のソロが抜群に良いのである。このアルバムにしかない独特の雰囲気、これは一体何なのであろう?フェイクであることを逆に楽しんで作ったとしか思えない不思議な空気がここにある。
LP盤の初回プレスはカラー・レコード(透明)。あと、LP盤A面の最後にある約10秒の「場内アナウンス」がCDではカットされている。
なお、ラストの「バック・イン・トキオ」は曲ではなく、「日本に戻って来たぜ!」ということで1979年12月19日に中野サンプラザで行われた凱旋公演の際のメンバー紹介の模様を収録している。そして「ビハインド・ザ・マスク」のイントロと共にフェイド・アウト。「嗚呼この続きが聴きたい・・」と思っているYMOファンは唸るほどいるはず。いや、この公演自体を通して聴いてみたい。音源自体はアルファレコードに残されており、何でも非常に素晴らしい演奏であるとのことだ。