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ラストアルバム。1993年に再生して「テクノドン」が出ているので厳密にはラストアルバムではないが、1980年代におけるYMOのピリオドであった。
散開(解散の意。「散って開こう」という意図が込められている)が決まったYMOにはもう気負いもなく、また感傷的になるでもなく、ゆったりと淡々と最後の仕事をこなしている。日本語詞による極端なポップ路線に走ったのは結局前作限りで、再び英詞に戻りいい感じに力が抜けた仕上がりになっている。
「増殖」のコンセプトを踏襲してか三宅裕二率いるS.E.T.によるコントが全編に挟まれているが、それがかえってこのアルバムの印象を散漫にしているのが残念。S.E.T.が悪いと言うのではないが、この組み合わせは成功しているとは言えない。