ライヴアルバム/ベストアルバム


「UC YMO[Ultimate Collection of Yellow Magic Orchestra]」
 2003/8/6発売。細野晴臣監修のベスト(YMO GO HOME)、高橋幸宏監修のライブベスト(ONE MORE YMO)、と来て、今度は坂本龍一監修のベスト盤である。特に坂本龍一は解散後もっともYMOに関わることを避けていたが、最近はもう変な気負いもなくなったのか非常にいい感じでコミットしているように思える。
 収録曲で珍しいものは以下の通り。
 ・テクノポリス(シングルバージョン)
 ・ジ・エンド・オブ・エイジア(オリジナル盤未収録バージョン) ←「YMO GO HOME」収録テイクと同一
 ・シチズン・オブ・サイエンス(「マルチプライズ」収録バージョン)
 ・開け心 -磁性紀- (ステレオバージョン/初CD化) ←「YMO WORLD TOUR 1980」アナログ盤収録テイク
 ・恋人よ我に帰れ feat. Mari Nakamoto ← フジテレビ「ミュージック・フェア」出演時のもの。間奏部でフェードアウトするのが残念。
 ・カオス・パニック ← 「浮気なぼくらインストゥルメンタル」収録のもの
 ・過激な淑女(オリジナル盤未収録)
 ・M16 ←書籍「period」の付録CDとして出ていたのみ。
 ・ビハインド・ザ・マスク(セイコーCMバージョン) ←これは貴重。

 「通常版(3,000円)」「SACD版(3,495円)」「プレミアム版(2万円)」の3種類がリリース。
 プレミアム版には以下のような特典が付くが、ブックレットといっても大したものではない。またYMOファンがチェックすればすぐに分かるような曲名、歌詞の誤植が多いのも何とかしてもらいたい。
  ・80年ワールドツアー「From Tokio to Tokyo」時の、高橋幸宏デザインによ るYMOシャツとYMOバンダナを完全復刻
  ・ブックレット

「ONE MORE YMO」
 2000年4月26日発売。「YMO GO HOME!」のコンセプトを継承して高橋幸宏が選曲・一部リミックス・全曲解説したベストライブ集。個人的にはライブの寄せ集めは好きではないが、未発表テイクが5曲あることと、高橋幸宏による解説が非常に面白く、価値のあるものとなっている。
 でも出来れば細切れでなく、個々のライブを通して聴けるように別々にリリースしてもらいたい。

「InDo」
 2000年2月23日発売。YMO唯一の未発表曲(というかデモテイク)「インド」が、細野晴臣の手により多少の味付けをされて遂に発売。ほぼオリジナル版に忠実な「Indo 1978」、2000年の解釈にて完成させた「InDo 2000」の他、5組のアーティストによるリミックスを収録。なお、この曲は細野晴臣がYMO結成直前に横尾忠則とインド旅行をした際のインスピレーションにより作成されたラフなトラックに高橋幸宏がドラムを重ねたもの。
 なおジャケットデザインはテイ・トウワだが、リミックスには参加していない。

「YMO GO HOME!」
 1999年9月22日に発売された2枚組ベスト。細野晴臣による選曲・全曲解説。ジャケットデザインはテイ・トウワ&タイクーン・グラフィックス。
 「写楽」発売記念ライブの際の音源を初収録。(アコースティック・ヴァージョンの「中国女」と「花はどこへ行った」)この2曲はあらかじめスタジオ録音されており、ステージでは口パクとして流されたもの。あと、限定盤「テクノ・バイブル」にも収録されていた「東風(スペシャルDJコピー)」、スネークマンショーの声が被さらない「ジ・エンド・オブ・エイジア」も貴重。

「ライヴ・アット・紀伊国屋ホール1978」
YMOとしてはかなり初期にあたる1978年12月、紀伊国屋ホールにて行われた「アルファ・フュージョン・フェスティバル」に出演したときのもの。発売されたのは1993年12月であるが、録音状態等あまり良いとは言えず長らくお蔵入りになっていたのも頷ける。しかし、「ステージ上でシーケンサ/シンセサイザーと格闘するYMO」をやけにリアルに感じることのできる貴重な録音である。ピンクレディーの「ウォンテッド」を演っているのが異色。

「ライヴ・アット・グリーク・シアター1979」
 1997年3月発売。「チューブス」の前座としてYMOは初の海外公演を行ったが、ライブが進むにつれて徐々に盛り上がってゆく様子が分かり面白い。
 なお、この公演の映像は「トランス・アトランティック・ツアー」や「Giga」シリーズで見ることができる。

「フェイカー・ホリック」
 1979年ワールドツアーにおけるロンドン、パリ、NY公演を収録。(発売は1991年5月)「パブリック・プレッシャー」では契約の関係上消されていた渡辺香津美のギターパートを聴くことができる。NY公演分はFMで放送されたものと同一だが、ミックスが異なる上、演奏のミスや「在広東少年」の歌詞の一部が修正されるなどしている。

「ワールドツアー1980」
 1980年にYMOは二度目のワールドツアーを行ったが、このアルバムはロンドン、パリ、ロサンゼルスの3公演の内容を編集して2枚にまとめたもの。 (発売は1996年5月)
 録音状態、マスターテープの保存状態とも良くなかったため音質にやや難はあるが、一年目のワールドツアーとはうって変わってアグレッシブなYMOを聴くことができる。

「ライヴ・アット・武道館1980」
 当時フジテレビで放映されたものが先にビデオ化されており、それと同一内容。
 しかし商品として差別化を図るためにか、取ってつけたようにNY A&Mスタジオ公演における「テクノポリス」がボーナストラックとして入っている。このA&M公演はブツブツと細切れであちこちの商品に入っているのだが、なんとかまとまらないものか。

「ウィンターライヴ'81」
ビデオの内容と同一。

「コンプリート・サーヴィス」
 1983年のYMO散開(解散)公演はオリジナル盤で「アフター・サーヴィス」として出ているが、いくつかの曲がカットされている。このアルバムは「アフター・サーヴィス」に収録されていない曲を別の日の公演(NHK-FMが収録したもの)から持ってきて最終日の演奏曲順に編集したもの。
 話題作りの為にブライアン・イーノがリミックスを行っており、特にシンセの音などがキツくなっている。

「テクノ・バイブル」
1992年8月に限定発売されたCD5枚+160ページ冊子のボックスセット。うち4枚はベスト盤だが、5枚目の未発表テイク集が貴重。


 ■ここにリストアップしたアルバムは、すべて1990年代以降に発売されたものである。なぜ当時出し惜しみ(?)していたものをこう次々出せるようになったのか不思議といえば不思議である。あと出ていない音源としては1980年の「テクノポリス2000-20ツアー」や1981年の「ウィンター・ライヴ」のFM放送分など。1980年のA&M公演も細切れで出さずに、まとめて出してくれたらいいのに・・・・・。

 いっそのことビートルズの「アンソロジー」みたいに未発表曲、未発表テイク、曲をまとめ上げる工程などを収録したモノを出してもらえればファンとしては感涙ものなのだが・・・・。(テクノ・バイブル収録以外にももっと色々とあるはず!)そういえば当時、フジカセットのCM(FM)でちょっとだけ「どういう風に曲を作っているか」というのをシリーズでやっていたような・・・。 「サウンド・ストリート」(NHK-FM)での”坂本教授の電気的音楽講座”とか、細野晴臣の作曲講座なんてのもありましたな。


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