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同名の日本盤を米国向けにリミックスしたもので、より厚みのあるまとまった音となった。ミックス以外にも大きな違いが2点。「東風」に吉田美奈子のヴォーカルが加えられ、ラストの曲「アクロバット」がカットされた。
日本盤と比較してインパクトがあるのはそのジャケットデザイン。アール・デコ調から”電線を頭に生やした着物の女性”へ。さらに中ジャケットではメンバーがピエロの仮面をつけてケーブルを口にくわえておどけている。
他のプロモーションでも三人が揃いの眼鏡をかけて首からカメラをぶらさげて・・・と、いかにも「ハイテクに囲まれた怪しい東洋人」を演じるという手法でアメリカを、そして日本を茶化しつつ「イエローマジックオーケストラ」というこれまた怪しいグループ名を売り込んで行ったのである。
ところでこのアルバムのみ「東風」が「イエローマジック(東風)」と表記されているが、この改名はまったく定着しなかったようだ。坂本龍一による「東風」は海外公演でもひときわウケがよく、YMO解散後のソロコンサートでも定番になっている名曲中の名曲。1998年発売のソロアルバム「BTTB」において初めてセルフカバーされている。他にもアレンジがかなり異なる矢野顕子バージョン(アルバム「ごはんができたよ」収録)があるが、これに近いものは1980年のYMOワールドツアー収録盤で聴くことができる。