真魚ちゃん、超進化
 そうそう、料理なんてものは、その気にさえなればどうにかなるものです。


 えーと……今回は、普通に面白かったんで、なんか普通に「面白かったです」で終わらせたい所 なんですが、それだとコーナーの意味が無いんで、まあ、ちょこちょこと。
 しかしホント、普通に良かったなぁ……。
 「不本意なヒーロー」って状況設定はいいですね。
 しかも、
 “不本意ながらヒーローになってしまって苦悩しながら戦う”
 というのを初期設定にして展開する話なら数多くあれど、
 “気が付いたらヒーローになってしまっていて、しかも何か色々納得できない状況なんじゃ ないかこれは?”
 ってのはもしかしたら本邦初じゃないかと。
 例えるなら、酔っぱらって大騒ぎしていて、ふと正気に戻ったら辺り一面の大火事だった みたいな(みたいか?)。
 初期の、とりあえずアギト→とりあえずアンノウン倒す、から自覚症状が出てきて(出るのが遅いという 話もありますが)、ふと我が身を振り返ったら「俺、何やってるんだ?」感が凄く出ていて良かったです。 まあやっぱり、一種の王道ものである“苦悩するヒーロー”から発想を転換したある種の裏技ではあるんで すが。……そういう意味では、出番が少ないだけで実は王道を地で行ってるギルス=葦原涼という基礎地が あるから、ここでこのふと気が付いた翔一くんが引き立って、裏技として成立するんですよね。これを 翔一くん一人でやると、「今更何を言ってるんだ……」になってしまうという。
 そしてそこに、実はただ一人だった(てのも翔一くんがふと気が付いたから発覚するわけなんですが) 自ら進んで戦う男氷川くんが絡む。
 ……やっぱりうまいです、井上敏樹。
 この人はホント、狙って長編書かせると凄いなぁ……まあまだ、最後まで行ってませんから、最終的な 評価はそこで下されるわけですが。
 あと、一つ難点を言うなら、こういうのって“構成の巧さ”であって、実は“構成の巧さ”ってのは必ずしも “物語の面白さ”と直結する訳じゃないんですよね……少なくとも私は現在の『アギト』を見ていて面白い ですが、一時期面白くないと思っていた頃も正直あったわけで、そういった、転がっていく物語、としての 面白さを犠牲にしている面は、忘れてはいけないのでしょう。

 んでもって、ライダー共闘ですが、一気にみんなが関わってきて、本当は面白がる所なんでしょうけど、 個人的にはもうちょっと無関係でも良かったかなー……と思ったんですが、最後のバトルシーンを見て ちょっと気が変わりました。あそこまで敵が強いと、“そろそろ物語も終盤”という雰囲気も含めて、一緒に 戦っていてかなり絵になりますね。いい雰囲気です。
 とか思ったら、
 バーニングフォーム一撃
 むぅ……。
 バーニングフォームは格好いいですね。ただ難を言うなら、もっと正拳突きっぽいパンチで倒して欲し かったかなぁ、と。一撃必殺といえばやはり、正拳突きなわけですよ。
 必殺・鯱殺し。

 それにしても、涼に翔一くんの護衛を頼む真魚ちゃん、真島くんの事はどうなっても良さそう です(まあ仕方ないか)……とか思ってたら、真島くん、本当に襲われるし。そしてそれを助けに 行く涼は実は翔一くんの事がどうなっても良さそうです。更に、護衛に来た筈なのに 出動してしまった氷川くんも翔一なんてどうでも良さそうです
 ああそれにしても、
 気が付くと真魚ちゃん、大もて
 みんな、いいなりです。
 こうなればこの際、真島くんも沢木さんも引っかけるというのはどうでしょう? そして、アギト帝国の 女帝に就(待て)
 氷川くんに看病されるのは嫌だなぁ……ネタは、本編で案の定やったんで、細かくは突っ込みません。
 後、ストーリー的にはあれですね、出番は減ったが内容は濃かった北條さんに 期待です。今のところ、単に推測で物を述べてるだけで、レベルは小沢さん等と一緒ですが、彼の ここからのウルトラCに期待です。問題は、ウルトラCやった後、どう考えても北條さん活躍の方向に話が 転びそうもない事ですが……なんか今更、アンノウンの行動目的解いてもしょうがなさそうだしなぁ…… ああでも、真魚ちゃんのお父さんの件は、やっぱり重要な伏線なのかしら。

 水のエルはなんか格好良いんで、いいですね。なんであかつき号を襲ったのか、よくわかりませんけど…… あかつき号事件で超能力者達が覚醒しだした訳ですよねぇ……それとも、あかつき号には偶然アギト になる資格を持った者ばっかりが乗ってたんで、一挙大虐殺じゃーーーと喜びいさんで乗り込んで、なんか ヘマでもやらかしたんでしょうか? うーん、謎だ。
 謎といえば、沢木さんに時間を早める能力をあげたりギルスを助けたりしてる割には、結局謎の青年が アギト始末計画の元締めみたいですし……うーん……冷静に考えると、あんまり何も解決してないですね。 まあまだ20話近くあるわけですから、謎は残っていて良いんでしょうけど。

 映像ですが、久々に金田治監督。ずっとアクション監督をやっている方ですね。ここ最近、アクション監督が 二人体制なので、この2話はある意味、アクション監督3人がかりで撮ってるみたいなもんです(笑)
 そういうわけでか、アクションシーン盛りだくさんでした。まあやっぱり、こういう番組はアクションが 映えていないといけないと思うわけなので、最近アクション的にいまいちだったアギトにとって、新フォーム 登場という事も含めて、非常に良かったのではないかと。
 ところで、最近増えたアクション監督、宮崎剛氏。これまで、この流れで聞いた事のない名前である事と、 山田さんと二人体制な事を考えると、若手の方ですかね……東映のよくやる手なので。実際どうかはわかり ませんが、もし若手の方を入れているのだとしたら、やっぱり、東映は凄いなぁ……と。ある意味、当たり前 といえば当たり前ではあるんですが、こういう少ないチャンス(なのですよ結局)をちゃんと活かして、 しっかり若手を順々に育成して一人立ちさせているのが東映の奥深さであって、某プロにも見習って欲しい 所です。
 実際ホント、この10年ほどの東映の努力の結晶が、ある意味、今の『アギト』のゴールデンタイム進出、 映画ヒットだったりするわけで、“再び世にTV特撮を知らしめた”という事では本当にこの会社には頭が下がる 思いでいっぱいです。(※数年前に『ウルトラマンティガ』以降の3作がある程度のメジャー シーンには乗りましたが、あれはあくまで“『ウルトラマン』だから”、であって“特撮である”事は前面 に出ていなかったのです。そういう意味で今回、同時に『ガオレンジャー』の露出増が示しているように、 “『仮面ライダー』である”ということよりも“TV特撮ってものがあったな”という事を見せているのが 大きな相違点)
 確かに、「リバイバルブーム」とか「かつて見ていた世代が子持ちになった」など幾つかの時代的要素が あるのも確かですが、そこまで見越してじわじわ浸透させていた東映の眼力があったのも間違いなく確か。 やっぱり、某プロに見習って(以下略)
 ……以上、特撮ファンの脇道小道でした。

 なんか余計な話書いてたら、そろそろ本編の内容を忘れてきました(おぃ)
 これから気になるのは……次回予告のやたら格好いいライダー(笑)
 噂のあの人が遂に登場するのですね……それから後、京本。
 最後にちょっと、おまけでお楽しみ下さい。一部キャラのファンの方の反応がちょっと怖いですが…… よろしければ、笑って許してやって下さい〜……。


●特別おまけ:そんな彼等の青春群像
★津上翔一の場合
真魚ちゃんの手作り弁当をかっくらう翔一! 男として、ここでこの弁当を食わないわけには行かない!
しかし――!
!? な、なんだこのまずさは……)
やはり真魚ちゃんはお約束通り、砂糖と塩を間違えていたのだ!!
(くっ……だ、だけど、ここで真魚ちゃんの弁当を食べないわけにはいかない! 食う、俺は食う! 俺の 居場所を守る為に!!)
翔一、食べる。噛む、飲む、砕く。舌が味を感知するよりも早く、かきこむ!
(ぐぉ……だ、駄目だ、俺、死ぬかも……いや、そうだ、このまずさを、この苦しみを、 この怒りを、あのアンノウンにぶつけるんだ!!)
翔一、食事完了。今、その体内に、怒り、充満。
「真魚ちゃん、俺、行って来るよ!」
真魚ちゃんに笑顔で見送られ、翔一、出撃。
そして――。
「変身!!」(今、俺の拳が真っ赤に燃えて愛と怒りと悲しみの バーニングフィンガー!)
……以上、バーニングフォーム誕生秘話でした。
(※真魚ちゃんファンの方、ごめんなさい)

☆葦原涼の場合
翔一くんの家を訪れた涼……翔一の家族とも言える人々を見て、その光景に胸打たれる。
(く、くそ……なんて、なんて幸せなんだあの野郎?! 心配してくれる人がいる上に、女子高生と 一つ屋根の下だと?! 俺なんて、俺なんて、オヤジは死ぬわ彼女には逃げられるわお花畑は見ちゃう わ何故か家の床がイチゴミルクで汚れているわ……畜生、畜生……!!
「……あいつは、幸せだな……」
(なんて言ってる場合じゃなくて、そう、この復讐を……こ、これだ!!)
おもむろにトマトにかぶりつく。
涼、
ストーカーレベル3からトマト泥棒に転職。
(※涼ファンの方、ごめんなさい)

☆氷川誠の場合
アンノウン、水のエルにぼっこぼこにされる氷川くんもといG3−X。
「おまえはアギトではない。アギトになるべき者でもない」
「……な、なんだ……どういう事だ……?」
(……ぼ、僕がアギトになるべき者ではない……アギトではない、アギトにはなれない………… 不器用だからか!? 不器用 だからなのかっ!?
多分、そう。

(2001年10月18日)

戻る