1.「鉄を斬る」以外の方法で、Mr.1を倒せるか?21巻で展開された、ゾロ vs Mr.1の死闘。鉄の硬度を持つ「全身刃物人間」のMr.1を、ゾロは「物の呼吸を知る」という境地を会得し、ようやく倒すことができた。しかし、これ以外の手段で勝つことは、不可能だったのであろうか? まず、Mr.1の能力について検証してみよう。彼は、身体を刃物の硬度にすることが出来る。これによって「打撃斬撃は俺には効かん」と言っている。 だが、それにもかかわらず、彼はゾロの攻撃を「防御」している。これは、何を意味するのだろうか。本当に無効なら、ノーガードでの突撃戦法が一番手っ取り早いはずだろう。 ここで、ひとつの推測が可能となる。・・・実は、Mr.1は、攻撃を無効化しきれないのではないか? 確かに「斬れない」身体ではあるが、「刀という鉄の棒による、強烈な打撃のダメージ」は、低減はできても完全な無効化は出来ないのではないか。(鉄の全身鎧と似たようなものだ。TRPGにはしばしば、『斬れない鎧でも、打撃は通じる』というルールが出てくる) 根拠として、143ページ、ゾロの“牛針”を食らう場面。“斬人(スパイダー)”という、おそらくは防御力増強系の技を使って受け止めているが、そんな技を持つことは、「攻撃の無効化が、常に完全な訳ではない」と逆に証明しているようなものだ。 さらに見てみよう。152〜153ページ、鬼斬り・虎狩りの連続攻撃を受ける場面。“鬼斬り”を食らう直前の、Mr.1の表情は、明らかに動揺している。そして153ページ右下、“虎狩り”を受けた直後の表情は、それなりのダメージをうかがわせるものである。155ページでは、何事もなかったかのように立ち上がってきた彼だが、その後の猛ラッシュから見て「長期戦になったら不利だ」と悟った可能性がある。 つまり、Mr.1は「ダメージの蓄積」を恐れたのだ。ゾロの強烈な打ち込みは、「斬れない身体」にさえ、少しずつダメージを与え始めていたのだろう。(これまでのMr.1は、ここまで持ちこたえて「ダメージの蓄積」をもたらすような敵には、出会ったことがなかったと思われる) そして勝負の決着、184・185ページの見開き。斬られたMr.1の身体からは、血が飛び散っている。ここから、内臓まで鋼鉄化できてはいないことが分かる。「内臓」というのも重要キーワードで、「鉄を斬る」以外の手段で彼を倒すには「体内(内臓や骨)へのダメージ蓄積」しか無いだろう。また「体表の防御力を越えた、内臓破裂を起こすような強烈な打撃」を加えられたなら、斬られるまでもなくMr.1は落命する。 という訳で。もしゾロが「鉄を斬る」ことにこだわりを持たず、そして時間的余裕のある状況だったなら。慎重に防御しつつ、根気よく峰打ちで殴り続けていれば、Mr.1をノックアウト出来てしまったのである(笑)。(ストーリー的には面白くも何ともないが・・・^^;) ここまで来たついでに、「他のGM号メンバーに、Mr.1を倒せる可能性があるか」を検証してみよう。 キーワードはやはり「ダメージの蓄積」、そして、強烈な打撃系の攻撃だ。 GM号クルーの中で、打撃系の技を持つのはルフィ、サンジ、チョッパー(ナミ、ウソップは特殊なので後述する)。 だがチョッパーは、ランブルボールの「腕力強化」が3分間しか使えず、その間にMr.1を倒すほどのダメージ蓄積は無理と思われるので、まず脱落。 そしてルフィは、単純な攻撃力では最強だろうが、少々動きが遅い。ゴムゴム技を回避され、手足が伸びきった所を斬りつけられたら、目も当てられないことになる。性格からして、フェイントで隙を補うような真似もできそうにない。そもそもルフィの性格では、刃になった身体をそのまま殴りつけて自滅しそうだ。相性的には最悪と言える。 残るはサンジであるが・・・ゾロの他に唯一、Mr.1とのタイマン勝負に勝てた可能性を持つのが、実は彼なのである。 だが、サンジは武器を使わないため、Mr.1の攻撃を一切防御できない。全て避けきるしかない訳で、当然ながら、ゾロ以上の大苦戦は免れないだろう。(あれ以上苦戦したら死ぬ、という突っ込みはひとまず置いておく(苦笑)) もっとも、彼の体術は、Mr.1より上と推測される(純粋な格闘能力では、Mr.1をしのぐと思われるMr.2と、サンジは互角に戦っている)。斬りつけを回避しつつ、フェイントを駆使して蹴りを当てていけば、ダメージの蓄積は不可能ではない。この場合、いかに早くMr.1の能力特性を見破るかが、勝負の鍵となる。後は地道にダメージ蓄積を狙うか、大技を仕掛け、内臓破裂を起こさせて決着をつけるかの選択になる(ストーリー的には、追い詰められた所で捨て身の一撃、というのが一番盛り上がるが。ゾロvsMr.1は、良い意味での王道パターンな訳だ)。 一対一ではなく、コンビでならどうだろうか。まず、Mr.4ペアと対戦したウソップ&チョッパーコンビを見てみよう。チョッパーにはランブルボールという決め手があり、「頭脳強化」によって「ダメージの蓄積」という手段を見出すことが可能だ。ウソップは、豊富な補助技を持っている。いくら鉄の身体でも「タバスコ星」は効くだろう(笑)。この二人で「足止め&タコ殴り」を繰り返したなら・・・しかし、やはり勝ち目は薄い。ウソップハンマーは「急所狙い」によって効果を発揮するものであり、鉄の体表の防御力を越えて、ダメージを与えるには苦しいだろう。Mr.1に対しては、二人とも攻撃の主力にはなれないと思われる。 ルフィ&ウソップはそこそこ有利になりそうだ。ルフィには難しい「フェイント」の部分をウソップが補い、Mr.1の注意をそらした所をルフィが殴る、というコンビネーションが可能。同じ理由で、ルフィ&チョッパーもそれなりには戦える。だがどちらのコンビも、ルフィが無茶をやらかして自滅するという危険を常に伴う。 意外と善戦しそうなのが、ナミ&ウソップのコンビだ。ただし、それには二つの前提が必要となる。「ナミが対戦開始前に、天候棒を完璧に使いこなしている」ことと「“サンダーボルト・テンポ”によって、Mr.1が常人以上のダメージを受ける(鉄だから)」ことである。ウソップが、タバスコ星・卵星・煙星などを徹底的に駆使して隙を作り、ナミのサンダーボルト・テンポを連続して当てていく。・・・最弱のはずのコンビに負けるのでは、Mr.1も死んでも死にきれないだろうが(苦笑)。 以上のように、どんなに強そうな力でもやっぱり弱点はある・・・が、オフィシャルにない裏技探しをマンガでやってもあんまり意味はないか?(笑/それ言っちゃったらおしまいだってば) |
2.ワンピ世界に「空軍」はあるのか?ドラム島編にて、サンジとルフィの協力技「空軍(アルメ・ド・レール)ゴムシュート」が披露された。ここで、疑問が起こる。果たしてあの世界に、「空軍」というものが有るのだろうか。現在21巻まで見た所では、空軍はおろか、航空機の存在さえ確認は出来ない。(扉イラストにはあるが、あれは一種のパラレルワールドとして解釈すべきだろう。とにかく本編中には出てこない) 映画「ねじまき島の冒険」にはパラシュートが登場するが、用途は「高所からの脱出用」であると思われ、飛行機との関連はないと思われる。 ワンピ世界の文明は、大体19世紀〜20世紀初頭ぐらいのレベルだと思われるので、そろそろ初期の複葉機ぐらいなら、開発されていてもいい頃だ。 現に、サンジは「空軍」という言葉を知っていた。言葉があるということは、少なくとも「その概念がある」ということである。一般化はされていないが、「飛行機というものがある」ということは、教養のある人々には知られているのだろう。 推測されるのは「海軍が、航空機の開発をしている」ということである。 大海賊時代の中にあって、海賊たちの勢力に対し、かなり苦戦しているらしい海軍。彼らが望みをかけて開発中の新兵器が「飛行機」である、とは考えられないだろうか? そういう実験部隊があると、それなりに噂にはなっており、俗称として「空軍」と呼ばれている・・・これが私の仮説である。 もっとも、彼らの持っているのは、実用化にはほど遠い物だろう。「グライダーに動力つけてみました」程度の、飛んでは落ち飛んでは落ちを繰り返すような。成果を期待する者の方が少なく、噂でも半ばギャグ扱いで、海賊たちも多分、そんなものが脅威になるとは思ってはいない。 しかし、彼らが成功を収めた暁には、海の勢力図は一気に塗り替えられるだろう。時代を動かす力、大海賊時代を終結させうる技術革新のひとつ、それが「空軍」の飛行機なのかもしれない。 という訳で。「空軍」の皆様には悪いが、当分は・・・少なくとも、ルフィが海賊王になるまでは、失敗を繰り返していてほしいものである。私たち読者はまだ、大海賊時代の激動を味わっていたいのだから。 (麦わら海賊団ジュニアの新たな冒険、今度は舞台を空に移して・・・なんていうのも、なかなか楽しそうではあるけどね) |