QJYつうしん Web-01 2000.1.22〜24
日本で一番早い桜を見るために やんばる八重岳の山歩き
風邪ひいちゃった
前日からどうも調子が悪い。
風邪をひく前兆は、なんとなく分かるものだが、間違い無く「えらいこと」になるぞと思いながらの出発だった。
珍しく、早めに医者に行き、薬も確保して出かけることとした。最大限の努力だ。出発日の朝はそれほど苦しい状態ではなく、収まりかけたなと思いながら空港に向かう。
不思議なもので、行き先が暖かい場所だけに先行きがそれほど不安ではないのだ。
飛行機の中はカープの若手選手がたくさん乗り込んでいた。レギュラークラスでは浅井、東出、島など。これから沖縄で自主キャンプに入るのだろう。
那覇に到着するとさすがに暖かい。空は晴れて気持ち良いし、着ているものをとりあえず1枚脱ぐこととする。レンタカーは1000CCクラスのVitsという車、小回りが利いて前回と同じく1000キロしか走っていない新車だ。
さっそく高速を一路名護方面へと走らせる。
街路樹のモモタマナやアカギ、デイゴなどがこのごろは判別できるようになった。車窓から見える庭木のナンヨウスギの形も懐かしい。
自然とクーラーが入ってしまう。陽射しがけっこう暑いのだ。
名護城のサクラ
許田のICを下りて、名護の町まではすぐに着く。向かうは名護城の公園。駐車場もあり便利な場所だ。オリオンビールの工場を過ぎて、ここへの道路沿いに植栽してあるヒカンザクラは皆ピンクの花をつけていた。
果たして駐車場から見上げる山の裾野にはたくさんの花が咲いている。満開まではいかないが、山全体がピンク色に染まっている。
ヒカンザクラは彼岸桜との混同を避けるためにカンヒザクラとも呼ばれる。沖縄など亜熱帯のサクラで本土の桜前線と違って北から降りてくるのだそうだ。
山頂の城跡までは階段をゆっくり踏みしめながら上がって行く。たくさんの人が共に登っていて、外人さんが多いのは沖縄らしい。
道端には定番のアワユキセンダングサが咲いている。頭上にはピンクのヒカンザクラの花,花,花。明日は日曜日なので大勢の人が訪れることだろう。そう言う意味でも今日無理してでもここに来ておかなくては。
時刻はもう5時を過ぎてしまって、正面の名護湾に沈みかけた夕日がまぶしい。
先ほどまで広島にいたと思えばなにやら不思議な気分だ。今、こうして名護湾に沈み行く夕日を眺めながら歩いている。
花柄の長い濃いピンクのサクラに蝶も飛び交ってまさに春の感じ。
暮れなずむ町をあとにホテルまで戻る。国道沿いにある「沖縄そば」の店でソーキそばを食べて帰ることとしよう。
野菜類を含め、いろんな物が売られている。
八重岳のサクラ
八重岳は454mとそれほどの標高を持った山でもない。ちょっと目立った山は米軍の管理下にあり簡単に入れないのが沖縄の山だ。
時期が時期だけに車を走らせると大きな看板がその場所を教えてくれる。桜の森公園と呼ばれるそこには中腹に大きな駐車場があり、出店やにぎやかなイベントも行われ、会場全体が祭り一色だ。
駐車場から見上げる八重岳方面の山腹には道路に沿って植えられたサクラのピンクの帯。
車で走ってもいいのだが、せっかくならここを歩いて上のほうまで行ってみよう。
多くの人がそうしている。
もっとも道路の舗装がなされていないので、通過する車の砂ぼこりがうっとおしいが。
山道から谷を覗き込むと、クワズイモの大きな葉、ヒカゲヘゴの大木などが南国ムードたっぷりだ。
道に沿って、リュウキュウコスミレが少しずつ咲く。ムラサキケマンも咲いているのには驚いた。
道路は歩いて上がるのに適当な距離だ、どっちにしても山頂の施設には入られないのだから、車で走ってもしょうがない。ヒカゲヘゴの葉が風にそよぎ、南国ムードは漂う。
今帰仁城のサクラ
今回、ホテルを出来るだけ名護に近い場所に取った。それはサクラの名所がこの近辺にあるからだ。ニュースなどで映像としてお馴染みなのが今帰仁城のサクラだ。
レンタカーを借りて二泊三日で4万円台なのはうれしい限り、会社の関係で1割の値引きもしてくれるので、沖縄に関する限りはあまり構えなくても遊びに来れるわけだ。
さて、今帰仁城では大きな水牛が出迎えてくれた。ここも大勢の人。快晴の日曜日だけあって、車も多い。
海洋博公園の散策
本部町近辺の遊び場としていつも来るのが国営沖縄記念公園、「海洋博公園」だ。ここから見る伊江島のタッチューの姿はすばらしい。実は次回はこの島を訪れたいと思っている。
公園内はいろんな花が咲き乱れ、ゴクラクチョウカなどが露地で花を咲かせている。もちろん植栽以外にもアメリカハマグルマなどアクセントに咲いていて散歩は楽しい限りだ。
海岸まで出てみるとアダンが生い茂り、自然の公園の雰囲気が嬉しい。
公園内を巡回バスで回り、熱帯植物園に入ろう。ラグビーボール大のパラミツの実、スターフルーツの異名をとるゴレンシなど沖縄で覚えた植物が実をつけている。
【帰る日】
読谷の町のはずれにある、真栄田岬に寄って見る。ダイビングスポットとして名高い場所だ。おいしい空気と抜けるような青空の風景をしっかりと心に刻んで今日はもう帰る日。
ここで最後に那覇までのドライブが気になるので、走行中に見つけた医院に寄って、診てもらうこととした。良い思い出になればそれで良し。
先生の「インフルエンザですね。」の診断にちょっとがっかりしたが、お陰で気分も良くなり、注射もしてもらい帰途についた。
真栄田岬で上がってきたダイバーと妻の会話
「今は何がとれるんです?」
「え、あ、あの、ダイバーは魚を見るだけでして・・・。」
「なあんだ」
大変失礼しました。