QJYつうしん Web-03号 平成12年6月25日
オオムラサキの舞う里へ
圓鍔記念館
御調町出身の圓鍔勝三(えんつばかつぞう)氏の美術館である。
この町でよく仕事をしているので、無料の入館券をもらった。圓鍔さんの作品は広島駅や東広島の駅で見られる天使の舞のような優雅な作品で知られる。
三原久井ICを下りて御調町へ向かう。
あたりは緑が濃く、夏の里山そのままの姿を見せる。おいしい空気と助手席の彼女・・・。と、言いたいところだが・・・、ま、彼女は美術館が好きな人だから喜んでいてくれる。
御調町の左手の山の上にその美術館は見える。
仕事で私はここと役場を結ぶ無線のアンテナを建てた。それ以前からこの町とのつながりがある。川の水は清く、吊るし柿の里ありぶどうの産地あり。
山に上がると御調町が一望だ。緑豊かな町。あちこちに圓鍔さんの作品が立ち並ぶ。95歳の圓鍔さんは今もなお創作活動を続けておられる。岡山県井原市の平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)氏と同じだ。田中さんはもうこの世の人では無いが、100歳を超えて「60.70はハナタレ小僧」と言った人だ。
紫式部の像や鈴木三重吉の魚に乗った象、この町に多い古墳の展示もしてある丘の上にその記念館は建つ。
館内は広々として落ち着いた雰囲気。
一時間くらい作品を楽しんだあと、食事処「宮さん」で昼を済ませる。
オオムラサキの里
府中市総殿地区がオオムラサキの里。
三郎丸(すべり滝で有名)を過ぎて、芦田川の支流に沿って府中市に向かう。
入り口の小学校まで壁にオオムラサキ蝶が舞う。
2〜3キロ山に登るとその場所はあった。
自然の中で保護されて食草の樹木「エノキ」に囲まれた網の中はオオムラサキの乱舞だ。人の肩にとまる蝶もある。愛嬌のある幼虫はきれいな緑色をしている。顔は怪獣みたいだが成虫以上にかわいい。
来週には網をはずして放つのだそうだ。いいときに来た。
昆虫少年だった頃、オオムラサキなんて見たことも無い。国蝶だって?いったいどこにいるんだ?ギフチョウならそれでも山で普通に見かけるがオオムラサキは見たことが無い。ここに網で保護している理由だって鳥からの保護なのだそうで、自然の中で蝶が生き延びること自体、大変なことなんだ。