QJYつうしん 42号

     休日は山にいます     発行 QJY通信社 平成8年10月6日

 

涼しくなったから、歩くことにこだわる  飽きない秋の歩き方

 


登山靴のはなし

最近、靴について相談を受けた。

実は私のトレッキングシューズも相当くたびれて来て、そろそろ買い替えようと思っていた。高級品なら靴の裏を交換して使うこともある。しかしその張り替え費用が1万円前後するので、新品の価格と変わらないのなら買い替える。

普通の靴と違ってトレッキングシューズは使用頻度も毎日ではないので、結構永い年月使うことになる。ならば、少々高額でも良いものを使用した方がいい。

足回りは山歩きでは一番重要だ。

靴は大きく分けて3種類。

@ アルペン…登山用、爪先や甲の部分まで固く、防水能力やグリップの強さで優る、初めて履くとロボットになった様

A トレッキング…山歩き用、ゴアテックスを貼ったものからハイキング用のライトトレッキングまで各社の技術の見せ所、種類は豊富

B ウオーキング…@やAと大きく違うところは足首のホールドの浅いところ、土踏まずが柔らかく、防水性能より発汗に対する対策を重視

  私たちの山歩きではAのトレッキングシューズがふさわしい。

アルペンタイプは何故良くないかというと、一に重過ぎる、更に柔軟性の無い強固な作りは初心者には慣れ難く、平地では逆に疲れる。

当然、その方に薦めたのはトレッキングのタイプだが、あとは店で実際に履いてみないと何とも言えないので、良い店を選ぶことも重要に なりそう。いくら雑誌で紹介してあっても、店に無い物は試着ができないもんネ。

WIZの5FのSRCという店で自分用のシューズを見ていたら店員がやって来て説明をはじめた。たまたま欲しい物に適当なサイズが無くて大きすぎる靴しかなかった。店員はそれなら爪先に入れる詰め物が用意してあるとのこと。この話を聞き、もうあんたの説明はいいよ、と思った。山歩きをするのにサイズが合わない靴は詰め物までして使用していたら危険この上ない。

「冗談じゃないよ!」と大声を出した。

案の定そのやり取りを聞いていた主任クラスの店員が飛んで来て、若い店員に注意していた。山歩きに重要な靴をおろそかにしていたら歩けなくなる。靴は徹底してサイズを合わせる。

そこで結論、サイズとしては小さいのはまずい、余裕を持つ意味でやや大き目は可、また底の固いもののほうが小石などで疲れることが少ない。その他、雑誌などで選びかたが取り上げてあるので、良く読んでみること。

誌面で薦められるのはこの程度まで。あとは実物を足に合わせることの方が重要。

靴の履きかた

え? 靴の履きかたをいまさら?

そりゃそうでっせ。ほとんどの人の靴のトラブルは爪先に現れる。フルマラソンを走るとよく爪の内出血で何ヶ月か色が変わってしまうが、それは靴の履きかたを工夫してみる必要がある。

足を入れたあと、かかとをトントンとして、つまり靴の中で足を後ろにいっぱい下げなければならない。そして靴ひもをしっかり結ぶ

大方の人はその逆をしていないか、爪先いっぱいに足を突っ込んで、かかとに余裕を持った状態で靴ひもを結んではダメ。余裕は爪先に持って行くこと。

甲のベロは左右にずれないように中央に引っかけのあるタイプでは必ずそれを固定する。

靴下は普通のものに重ねて、太い編みかたをしているものを履く必要は無い。ただ、発汗の湿気を含んでくれるくらいの厚みが欲しいため、スポーツタイプの靴下は最低限必要だ。

新品のものは履きなれるためにある程度は近所のハイキングで使用してみること。

最近は日本人に合った、巾の広いタイプが多くあるので大変便利になった。むしろどれを選んだらいいのか悩むほど。さあ、今の靴を早く履きつぶして、もうちょっと高価な靴を履いてみませんか。

一日一万歩の大切さ

現在うちの会社では十月からの三ヶ月で百万歩達成しようという運動をしている。

で、その資料に目を通してみた。

日本人の平均の一日歩数はおよそ7,700歩。「え?そんなに多い?」と思う人、貴方の分を誰かが代わりに歩いてくれているのかな。「良く遊ぶ小学生」が2万7,600歩、「クラブ活動の中学生」が1万9,800歩。貴方も昔は良く歩いていた。

社会人ではバス通勤の人は8,280歩だから私が万歩計をつけて7,200歩で納得。

驚くのはマイカー通勤の人、3,620歩となっている。つまり都会地ほど優秀、しかしこれでは何年もすれば差がついてしまうぞ。どんな差、かと言うと、それは成人病となって表われる。

成人病のひとつ「心臓病」の発生率を見ると一目瞭然。

 

道具をそろえる

先程示したシューズのうち登山用のアルペンシューズは一生履くことが無いかもしれないがウオーキングシューズはあった方がいい。

硬い路面を歩くクッションの効いた底、芝で滑らない、軽いもの。

歩くために歩く、だから意識して歩く。万歩計もあった方がいい。目標を作り、記録も残して達成感を悦びとする。エレベータには乗らないぞというこだわりもいいと思う。そのうちまったく意識せず散歩コースが出来上がる。

だけど所詮歩く事、雨の日にはさぼっても構わない。飽きることだってある、だから歩く仲間を作るのも名案。スポーツの秋、国体選手だけの季節ではない。

とにかく、休日は家にいないで山に行こう



[編集後記]

植木ばちに何か分からないひょろっとした植物が生えてきた。抜くタイミングを失っていた。最近、54号線の道路沿いソバの花が奇麗に咲いていて写真に撮っていたら、なあんだ、あれはソバの花だった。

ソバが一本だけはえると難しいぞ。