"命"という翼にのって  
あなたに「第二楽章 福島への思い」のお勧め


「となりのトトロ」などのジブリの美術監督、男鹿和雄さんのみごと なイラストに彩られた吉永小百合さん編の「第二楽章 福島への思い」 がスタジオジブリの編集のもと徳間書店から昨年9月発売されました。

1月28日、私は、千葉に避難されて4年10月年のTさんの車で、千葉のNさんと 私の連れ合い一緒に、この詩集に9編の詩を収めた佐藤紫華子さんを福島に訪ねました。

88歳 富岡町を あの日、あの時間、突然追われ、「故郷」を「心の底の 涙の湖の中にある」とうたう佐藤さんは、艱難を詩に昇華させ、地元の新聞社から 2冊の詩集にしたためていました。T夫人の故F子さんからお借りして、私は読んでいました。 故F子さんの20年来の踊りと華道の師匠が佐藤紫華子さんでした。

先に詩に接した吉永小百合さんは被災地と被災者に足を運びました。なんと朗読会を主宰し、 佐藤さんの詩を朗読、佐藤さんは日本舞踊を15人のお弟子さんと踊りました。浪江出身の 著名な民謡歌手原田さんの故郷の民謡を;ついで避難中の富岡の生徒たちの合唱に吉永さんと加わり、 会場を埋めた被災者は感動の涙を共にしていました。わたしは千葉へ避難された双葉のTさんと招待を 受けこの会場の前列でした。それから1年半、どうしても佐藤さんに会いたいと思いました。

「原爆難民の詩}より

   泣くだけ泣いて 吐くだけはいたら もう何もない
   これからは 新しい自分を見つけ 新しい未来を探しに両手を上げ
   深呼吸して 飛び立つの
   "命"という翼にのって・・・

もうすぐ90歳に手が届く佐藤さんは、訪ねた私たち4人へのもてなしは、明るく、さわやかでした。 生活周りは質素で、客観条件の厳しさは変わらない。なのにどうして明るいのか。辛酸をなめつくした方が 目の前にいた。Tさんは、彼女の詩のいくつかを、そらんじ、そのたびに目をはらしていた。 共感で心を震わせていた。そのひとだった。

ていけいには言えないが、生きる目標が社会と具体的につながる日常があるから目の前の人に そんな振る舞いになるのではないだろうか。確かにそうです。一緒に行った女性2人(Nさんと私の介助)の 求めにすぐ答えて踊りを楽しそうに教えていました。わたしらは約半日たのしい語らいだった。

事故にあわなかったわたしは、無理を覚悟で、
差支えない形で「物語」にしたいとおもった。富岡の町のあり様、23mの津波で破壊された町、 避難生活、放射能がどのように人びとを切り裂き、苦しめ差別しているか。辛酸の中で倒れ行く同胞たち。 そんな中苦しみに、負けないで生きていこうとする佐藤さんのような方々が目のまえにいる。

理解は到底できないとしても、彼・彼女は たくさん心の贈り物をしている。原発事故という、 とんでもないことに私たちを合わせないようにと。わたしはそれに応える責任があるのだ。4回富岡を訪ねているが、 人々の内奥は計り知れない。わたしの余命中に、その1辺でも、一かけらでも孫たちの世代につたえたい、 アオギリや千葉やこの国の仲間にも。

吉永小百合さん編の「第二楽章 福島への思いには佐藤さん以外に」アーサービナード英訳付きの 若松丈太郎の詩。福島市の詩人和合亮一さんの7編・高校1年、小学4年など生徒の詩5編は吉永さんによって 掲載されている。
昨年、「東京千駄ヶ谷の津田ホールで開かれた。朗読会では、原発事故で福島県富岡町から避難を余儀なくされた 左藤紫華子さんや、福島市の詩人和合亮一さん、小原さんら子供たちの詩を、吉永さんが心を込めて読み上げた。」 と報じられていた。「吉永さんは「四年経っても何も解決していないのは残念、美しい福島が元の姿を取り戻すように これからもサポートしていきたい」と話した。」という 今回の詩を朗読したCD[第二楽章 福島への思い]((ビクター)発売。 「吉永さんは印税を震災被災者のために寄付する」という。

心からあなたに、あなたの愛する人に第2楽章をTさんNさん、Yさんの意を受けてお勧めしたい

                                 高橋晴雄
                                 2016.2.1

     
     
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