軽蔑は軽蔑を招き、暴力は暴力を生む


     
 「ジュリヤ」「クレーマー、クレーマー」「ソフィーの選択」「マヂソン郡の橋」「プラダを着た悪魔」「鉄の女の涙」などの映画でなじみのハリウッドを代表する女優・メリル・ストリーブさんが自らのゴールデングローブ賞授賞式でスピーチし、「障碍者の記者をからかったまねをした次期米大統領トランプ氏を「軽蔑は軽蔑を招き、暴力は暴力を生む」と批判[権力者が自分の立場を利用して他の人をいじめれば我々は全員敗北者となります・「だから建国の父たちは報道の自由を憲法に記したのです」と。詳報は以下です。わたしは日本に置き換えて読みました。新聞はストリーブさんに共感の声が広がっていると報じています。(TH)

メリル・ストリーブさん   グローブ賞授賞式でのスピーチの詳報

(グローブ賞を主宰する)ハリウッド外国人映画記者協会のみなさん、まさにここにいる私たち全員が、米国社会で中傷されています。考えてみてください。ハリウッド、外国人、そして記者…。私たちは何者か。ハリウッドとは一体何なのか。それはただ、様々なところから、多くの人々が集まっているだけなんです

 ハリウッドには部外者と外国人があふれています。もし、彼らを全員閉め出したら、フットボールとマーシャルアーツ(総合格闘技)以外に見る者は亡くなるでしょう。それはアーツ(芸術)ではありません。

 俳優の仕事はただ一つ、自分たちと異なる人生に入り、見る人がどう感じるか感じてもらうことです。そして今年も情熱的に力強い、息をのむようなパフォーマンスが数多くありました。

 しかし今年、私は一つのパフォーマンスに衝撃を受けました。それは私の心に突き刺さったままです。決して素晴らしかったからではありませんが、それは人々の目を引きました。

 意図的に集められた聴衆を笑わせ、敵意をむき出しにさせたのです。わが国で最も尊敬されるべき地位に就こうとする人が、身体障害のある記者のまねをした瞬間でした。記者よりも特権、権力があり、反撃する能力もはるかにしのぐ人物が、です。それを見たとき、私の胸は張り裂けそうになりました。今でも頭から離れません。それが映画ではなく、現実世界の出来事だからです。

 こうした衝動的な侮辱を公の舞台で権力のある人物が演じれば、それはすべての人々の生活に浸透します。なぜなら他の人々も同じことをしていいという、ある種の許可証を与えるからです。

 軽蔑は軽蔑を招き、暴力は暴力を駆り立てます。権力者が自分の立場を利用して他の人々をいじめれば、我々は全員敗者となります。
これは記者にも通じる話です。説明する力を持ち、権力者のあらゆる横暴を批判する、信念を持った記者が我々には必要です。だからこそ、建国の父たちは報道の自由を憲法に記したのです。

 ですから私はこれだけはお願いしたい。裕福で知られるハリウッド外国人映画記者協会と、すべてのハリウッドコミュニティーのみなさん、どうか私に加わって(世界の言論弾圧を監視する民間団体の)ジャーナリスト保護委員会(CPJ)を支援してください。我々が前進するには彼らが必要になるからです。彼らは真実を守るためにわれわれを必要とするからです。

 私の友人で、亡くなった親愛なる(映画スター・ウォーズの)レイァ姫(故キャリー・フィシャーさん)は、かつて私にこう言いました。

 「傷ついた心を芸術に造り替えていきましょう」

 ありがとうございました。




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