私のFC-1000は昔、ハム交換室で入手したものですが押入れにしまい込んでいました。しかし最近ベランダに新しいアンテナを作った事を機に再登場させることにしました。
私は今回これをKENWOODのTS-850に接続して使います。FC-1000は各バンドの状態をメモリーに記憶しており、YAESUのRigからのBANDデータによりバンドのQSYに対応しますがTS-850に接続した場合はQSY毎にチューニングし直すことになります。しかもTS-850ではチューニングする度にTS-850のPowerを手動(ALCレベルの相違?)で絞らないとチューニングできません。この煩わしさからチューナの持つメモリーを使うことを考えました。
<メモリー使用方法>
コントローラの背面にはYAESU Rig用の13ピンのFREQ DATAコネクタ(写真1)があります。メモリーへのRead/WriteはRig側から各ピンに対しH、Lによる2進数の情報を与えることでメモリーアドレスを指定して行っています。簡単に操作するには各ピンはOpenでHigh、GNDでLowの情報を与えることができます。
これならば簡単にメモリーを操作できそうです。とりあえず手動でメモリーを使用する目的で作ったのがこれ(写真2)です。トグルSWが3つあります。SWをONにすることによりFREQ DATAのピンの一つをグランドレベルにします。ON、OFFの組が3つありますから23=8つのバンドデータがRead/Writeできます。
私は実質7、10、14、18、21、28しかQRVしませんからこれで十分です。私の入手したFC-1000にはYAESUのRigと接続するためのケーブルが付属していましたがこれは4本のピンしか使っていません。24=16ですから全バンドカバーするには十分ということでしょうか。私はこれを流用するために3本の芯線をデータライン、他の1本をコモンとしてGNDに落としています。これがSWが3つになった理由の一つでもあります。もう少しメモリーが必要であれば市販のコネクタを使ってケーブルを自作すれば良いでしょう。13ピンの内12ピン(A〜L)がアドレス情報ですから理論的には212=4096個(コモンを1本とれば2048個)使えます。SWを10も並べるわけにも行きませんからメモリーの選択方法を考えなければいけませんが…Hi
<パーツ>
用意するパーツはトグルSWを3個、ケース(タカチSW-75)、蛇の目基盤、JSTのコネクタ等を用意します。私はFC-1000に付属していたケーブルとコネクタ(ケーブルは4芯、コネクタはコントローラ側13ピン、反対側8ピン)を流用しましたので8ピンのコネクタのメスを蛇の目基盤に取り付けました。ケーブルから作る人は両端とも13ピンのコネクタがよいかも知れません。ケーブルはLANに使うUTPケーブルあたりが芯線がたくさんあって良いのではないでしょうか。コネクタ(オス)の接点もお忘れなく。
<製作>
製作は簡単です。ケース内の結線はコモンに決めた芯線に他の芯線からトグルSWを介して接続します。基盤やコネクタを使わずにケーブルの芯線を直接トグルSWに接続しても良いでしょう。(写真3)
FC-1000のコントローラ側の変更は上蓋を開けてFREQ DATAコネクタのコモンに決めたピンをGNDに接続します。このピンは常にLOWになるわけですが特に問題はないでしょう。これで終わりです。
<使用法>
トグルSWはどのように使ってもよいわけですが私は右から(左からでも同じ)1、2、4の値を想定して使います。(写真4)20=1、21=2、22=4で、コンピュータのメモリーの記憶方法と同じです。すなわち、6番のメモリーを使うには左端と真中のSWをON(2+4=6)にすればよいわけです。例えば5番のメモリーに21MHz帯のある周波数のチューナーの状態を記憶するには両端のSWをON(1+4=5)にしてチューニングを取ります。他のBANDにQSYしても再度21MHzにQRVするときは両端のSWをONにしてスタートボタンを押せばOKです。
<あとがき>
YAESUのRigからの制御もこのようなバイナリーコードで制御しているとのことですのでこの小さなケースがRigの代わりをしているわけです。(手動ですが…)(写真3)
今回は手動にしましたが次はTS-850を介してAutoにする方法を考えます。Hi
FC-1000(外付けアンテナチューナー)メモリーの手動活用アイデア