「ぶんぶん」こと橋本文子がお送りしています「モーニング・コール」


時刻は10時44分を回りました。


相変わらず外は何だかとっても気持ちの良い秋晴れになっていますよね。


あなたは何処で何をしながら、この放送を聞いて下さってるんでしょうか。


さて、今日はスタジオにとっても素敵なゲストの方をお迎えしております。


私も昨日初めてお会いしたのですが。


金子鉄朗さん!


旅人です!


おはようございます!




おはようございます!


どうも、みなさんはじめまして!


金子です!




では、まず、自己紹介を。




そうですね。


先ほどカッコ良く旅人なんて言ってもらったんですが


まあ、ぶっちゃけ、住所不定・無職です!


(ハハハ、その表現悪いですよ。ハハハ)


えーと、某レコード会社に12年間勤めてたんですが、


この夏、会社を辞めまして、旅を続けております。


今日がちょうど、70日目で。


あの夏ということで、涼しい方を、北海道、東北と廻って


昨日、こちらの方に来ました。




はい。


あの、昨夜、我が家の盛大なる鍋パーティーに


無理やり引きずり込んだという雰囲気だったんですが。




いやいや、すごかったですね。


楽しかったです!




まず、南魚沼郡に来られてみて、どんな感じでした?




えーとね、あの、自分はもともと何度か来たことありまして。


すごく、こう、何か懐かしい場所というか


自分の出身は埼玉県の深谷市という所なんですが


こちらスタジオのある六日町が姉妹都市で、深谷市の保養施設がありまして


で、そこに小学校5年生の時に林間学校に来て


えー坂戸山に登っています!


(ハハハ、坂戸山にも登ってらっしゃる)


登ってます。


で、あと中学のスキー教室でも来ました。


昨日ちょっと、坂戸山の方に懐かしいななんて行ってきて


今はリフトが架かってなかったんですけども


当時リフトに乗って坂戸山、何度も滑りました。


(そーですか)


はーい、駅前なんかも、すごく懐かしくて


昔のことをいろいろと思い出したりしましたけど。









そんな金子さんね、すごく親近感が湧くんですけど


ずーっと好きだった音楽関係の仕事をされていたわけですよね。


で、こう、辞めるきっかけ?


なぜ、一大決心をして仕事を辞めて、旅に出ようと思ったんですか?




うーん、あの、ずっと前から旅自体はホント好きで


やっぱり世界中全部を見に行きたいという。


でー、まあ、それには長い時間がかかるわけで。


音楽の仕事は、今でも好きなんですが


やっぱり、今、ホントに行かないと


ずっと一生行けなくなるだろうなと思って。


まあ、やっぱり、どっかで線を引かなきゃいけないし


ふたつのものを同時に求めることは出来ないんで


あの、まあ、旅をですね、選んで、今に至る感じなんですが。




えー、金子さん、今おいくつなんですか?




えーと、36です。




36になって、一大決心でしたね。




いやいや、一大決心というほどでもないんですが


まあ、自然な感じでね。


体力的なこととか。


周囲の人は、まあ、あの、やっぱりなという感じで


呆れながら、あたたかく見てくれてて


まあ、あの、いろいろ考えると、不安な部分もあるんですけど


まあ、そういうのはね、その時々、起こった時に対処していけばいいんで


行動する前にびびることなく、まあホントにやりたいことを


今、自分がやりたいことを、限られた命だし、うーん、人生の時間だし


まあ、やりたいことからやっていこうと。


そういう感じですね。




うーん。


その優先順位が今は旅だったということですね。




そうです。




そうですかー、あの、これからね、長い旅になるだろうというお話ですが


ご予定としては、どんなことを考えてらっしゃいますか?




えーとね、あのー、とりあえず、今、50ccの新聞配達のバイクでですね


(ハハハ、新宿ナンバーの!カブ!)


そうそう!目立つんだよね。


で、まあ、それで今、国内をトコトコと廻ってますけど


来春くらいから海外に出て、えー、とりあえずは


中米のグアテマラに入ろうかなと思ってるんですけど。


まあ、そこを皮切りに南米の方に降りていって


えーまあ全世界をゆっくりと


自分の目で見て、自分の足で歩いてこようと。


あの、あんまり、まだはっきり細かいことは決めてないんですが


まあ、3年から5年の間くらいかかるだろうなと思っています。




そうですね。


あの、その様子をね、金子さんのとっても素敵なホームページ


(ありがとうございます)


「静かな振動」でも紹介してゆく予定なんですか?




そうですね。


あの、旅をしながら、えー自分の撮った写真と文章を。


えーと、ほぼリアルタイムに近い形で。


あのネット環境いろいろあるんで、すぐにアップ出来ない場合もあるんですが


なるべく新鮮なうちにお届けしたいなと思っています。


やっぱりね、自分が、今、旅しながら、すごくいろんな人に、助けてもらったり


すごく優しい気持ち、きれいな気持ちとかね、たくさんもらってるんで


あの、その、おすそ分けっていう訳じゃないですけど


やっぱり、そういうのがね、こう、広がっていけばいいなと思ってて


あのホームページの「静かな振動」っていうのも


そういう思いを込めて名づけているサイトです。


良かったら見てください。




あの、ほんっとに項目がたくさんあって


(ハハ、そうですね)


写真も素敵だしね、その、金子さんが日々感じてらっしゃる


こう、つぶやきのようなものがね、すごく詩的で、私はとても好きですね。


(どうもありがとうございます)


わたくし「ぶんぶん」も正直本当にお薦めです。


是非、一度、アクセスしてみて下さい。







あの、それでね、金子さん、メッセージが届いていますよ。


(うっそ)


ほんと。


まずね、こちら。


ラジオネーム「みかん」さん。


旅の途中で出会ったひとりよりということで。




「旅人の金子さん、ラジオ生出演おめでとうございます。


昨夜は、ひょんなことから、私にも息子にもホームページ・アドレスを


教えていただきありがとうございました。


(ああ!)


わたしは遅くまで飲んでいたのですが、先に帰宅した息子は


早速サイトに行ってみたと、今朝、言っていました。


(ああ、どうもありがとう!)


わたしも先ほどちらっと見てみたけど、素敵な雰囲気。


後で、ゆっくり拝見させていただきます。


わたしは今日は仕事。息子も学校なのでラジオは聞けませんが


この後の日程も気をつけてガンバって下さい。


(どうもありがとうございます!)


あなたのカッコイイ歌声、息子もしっかりチェックしていたようです」と。




(あれ、俺、歌ったっけ)


ちらっと。


(ちらっと。そうか)


あの、みかんさんの息子さんはね、今ちょうど思春期でお年頃なので


恥ずかしいんですよね。やっぱ大人の間にいるのが。


だけど、彼は彼なりにね、きっちり受け止めてるんですよね。


すごく嬉しかった。わたしも。このコメントを読んでね。


(うん、俺も、嬉しい。ありがとう!)


で、もうひとりね。


「神田リバー」さんからいただいてますよ。


(おおお)




「長い旅の途中の来訪者、金子さん、カッコイイ!羨ましい!


(いやいやいや)


旅ではいろんな人との出会いが毎日あると思いますが


それを大切に、カブとの旅を続けて下さい。


(はい)


新潟県、南魚沼の印象はどうでしたか。


二ール・ヤングの「孤独の旅路」を贈ります」


ということで曲をいただいてるんですが。


(おおお、渋いなあ。ありがとうございます)


「邦題は「孤独の旅路」ですが「ハート・オブ・ゴールド」


金の心を探し求めて放浪の旅をするという男を描いた曲なんです。


1972年の大ヒット・ナンバー。


無事に旅を続けることを祈っています」


ということで。


(うーん。「神田リバー」さんねえ。カッコイイなあ)




というわけで、まずは、ここで一曲お聞きいただきましょう。


「神田リバー」さんから金子さんへのプレゼント・ナンバーです。


二ール・ヤング 「孤独の旅路」





I want to live.


I want to give.


I‘ve been a miner for a heart of gold.


It‘s these expressions I never give.


that beep ore seaeching for a heart of gold.


And I‘m getting old.


Give me seaeching for a heart of gold.


And I‘m getting old.





えー「神田リバー」さんからねえ、一曲、プレゼントが届きました。




いいっすねー!


二ール・ヤング!


うーん、風貌が良いよね。


(ウッフフフフフツ)


どんどん、なんか、あの、フッ、ねえ


フフフ、あの怪しくなってゆく


でも自分もだんだんもう70日経つと、だんだんね、むさくるしくなってきて。


まあ、ちょっと、これから二ール・ヤングになって・・・なります。ハハ。




これからね、世界を旅してね、次に金子さんにお会いした時に


金子さんが、こうどんな風貌になっているのか


それから、きっと思い出バックにいーっぱい思い出を詰めて帰ってきてくれると思うので


それをみんな楽しみに待っていますよ。


(はい。待ってて下さい。はい)


で、あのね、これから旅が終わって


近い未来でもいいし、遠い将来でもいいんですけども


何かこう夢とか抱負とかっていうのはあるんですか?




うーん、えーとですね。


その旅の先というのは、もう、ホントに何も考えてなくて


やっぱり、あの、長い間、旅をするわけじゃないですか。


そうすると、もう、いろんな出会いが


それは、もう、人だったり、うーん場所だったり、住んでみたいなとかね。


あとは仕事だったり、こんな仕事やってみたいなとか。


あの、やっぱ、そういうのには、すごく柔軟でいようと思って


まあ、自分自身がその変わってゆくことを


旅を通して変わってゆくことを楽しみにしてるんで


あんまり、こうっていうのは無いんですけど


やっぱり、いろんな人と触れ合いながら旅をしてて


自分はたくさんのものをいただいているんで


なるべくそういうのを、あの、直接その人にはお返しできないかもしれないけど


あの、ねえ、こう、人との触れ合いの中で、やっぱいただいたものを


もらいっぱなしじゃなくて、自分も何か与えてゆけるようになれたら良いなと思ってます。




それ、分かりますね。


あのー、私は、そんなに長い旅はしたことないんですけど


自転車で北海道を廻っていたりすると


まったく見知らぬ人が家に泊めてくれたりとか、ご馳走してくれたりとか


困った時にね、手を差し伸べてくれる人がいて


で、直接その人にお返し出来ないから、私が別の人に、また同じようにね


困っている人がいたら助けてあげたいなあって。




あの、ぶんぶんさん、充分さあ、このラジオを通して


明るい、こう聞いてる人が明るくなるような気持ち良いバイブレーションを伝えているから


素晴らしいなと思いますね。


(そうでしょうか)


うん、そう思うよ。


充分、お返ししてるんじゃないかなあ。


充分、充分。




わあ、そう言ってもらえたら、何かとても嬉しいですね。




いや、俺、ホントね、今回の旅で、


ぶんぶんさんに会えたこともね、みんなに会えたこともね


すごくひとつの大切なことだと思っています。


うん。




うん。


是非、これからもガンバってください。


そして




坂戸山ね。




あ。これから坂戸山、登るんですよね。


思い出の坂戸山に。ハハハ!




登りますよー!




ねー!ラジオを聞いている方で、おもしろそうな奴だなあと


一緒に登りたいなあという方は、この後、お昼ぐらいから


金子さんが坂戸山にチャレンジするということですから。




ねー!ホント何年ぶりだろう。


うーん、25年ぶりぐらいじゃないかな。ハハ。




是非、御一緒にどうぞ!




よろしくお願いします!




はい、金子さん、


今日は旅の途中で「FMゆきぐに」に寄っていただきありがとうございました!




はい!


どうもありがとうございました!


ではでは!






















ハート・オブ・ゴールドのある場所は知っている。


それなのに、どうして俺は旅をするのだろう。






「FMゆきぐに」のアナウンサーをしている、橋本さんの家にお世話になった。


橋本さんは、大きな樫の木がある古民家に住んでいる。


長い間、誰も住んでいなかった民家。


仲間の手助けもあり、少しずつ手を加えていった。


やっと最近、住めるまでに再生したそうだ。




家を見せてもらう。


センスが良く、気持ち良い空間になっている。


橋本さんが丁寧に暮らしている様子が伝わってくる。


以前、住んでいた人の気配も、片隅に残っている。




「こんなのが出てきたんですよ」


それは100本ほどもある1センチにも満たない鉛筆だった。


指先でやっとつまめるくらいの大きさに使い込まれた鉛筆だ。


どれも丁寧にナイフで削ってある。


「昔の人は、こんなにも物を大切に使っていたんですね」




家自体も所々に手直ししながら住んでいた様子がうかがえる。


そんな建築や家具を生かす形で、橋本さんの再生は行われている。


物を大切にする気持ちも受け継がれている。









橋本さんの家に着いた日は、ちょうど、鍋パーティーの日だった。


古民家再生を手伝った仲間達が、完成を祝い集まる。


仲間に入れてもらった。


大人10名、子供5名。


食べて、飲んで、食べて、飲んだ。


笑って、歌って、笑って、歌った。


楽しい夜だった。





















夫婦で味のあるハーモニーを聞かせてくれた方。


東京での演劇、こちらでのボランティアの話を聞かせてくれた方。


好奇心と生命力そのままに弾けていた女の子達。


隣で静かに耳を傾けていた中学生。


飲み物をいつも気にかけてくれた方。


優しく微笑んでいた方。


泡盛を飲んで気持ち良さそうに揺れていた方。




橋本さんと古民家が中心になって集まった仲間達。


みんながハート・オブ・ゴールドを持っていた。






ハート・オブ・ゴールドは此処にある。


ハート・オブ・ゴールドは何処にでもある。


俺はどうして旅を続けるんだろう。


自問しながら旅を続けている。




I want to live.


I want to give.







            2003年10月10日 南魚沼