与那国島。
最西端の島。
それは単に日本という国を中心にした概念だ。
与那国島を中心にして円を書く。
まずは半径500キロの円。
この円の中には台湾がスッポリと入る。
台湾までは、わずか111キロ。
その島影を望むことも出来る距離だ。
500キロの円は沖縄本島には届かない。
そこへは同じ県にもかかわらず、東京から四国ほどの距離がある。
次にぐるっと半径1000キロ。
隣の県である鹿児島県・種子島にやっと届く。
フィリピンの大部分は、この円の中に収まる。
そして半径1500キロでは四国と韓国。
2000キロで東京が円の中に入る。
与那国島から東京までは1900キロ。
それはインドシナまで悠々と到達する距離だ。
日本から遥か離れた島。
世界の中心。
端なんてどこにもない。
あるのは数限りない中心だけだ。
俺は中心へと旅をして、中心で暮らす者たちと会う。
俺の立つ場所が世界の中心。
与那国島という世界の中心で呼吸をする。
2003年11月25日 与那国島へ向かう飛行機にて