「世界を旅して来ますので、しばらく会えませんが、元気でいて下さい」


ここ数年は年に2、3回のペースで訪れていた竹富島。


お世話になってる島の方々に挨拶をしていたら、何だかしんみりとしてしまった。


たつこさんの姿を探す。


いつもの畑にいた。



竹富島(八重山)にはカジマヤー(風車祭)という長寿を祝う祭がある。


かざぐるまを飾り、97歳を迎えたお年寄りを、島中で讃えるのだ。


「たつ子さんのカジマヤーには必ずお祝いに来ますね」


たつこさんは竹富島で常宿にしている泉屋のおばあちゃんだ。



カジマヤーは、あと何年先だろう。


えーと、あと20年とちょっとか。


そこまで考えて愕然としてしまった。


その時の自分の年齢が60歳目前であることに気がついてしまったのだ。


そんな年齢になる自分を考えたことがなかった。


60歳近くになって同じように島を訪れる自分を上手く思い描けなかった。



俺も60歳になるのかなあ。


考えてみると、それほど遠いことではない。


人生の持ち時間を意識した。


死ぬまでは生きている。



80はさわらび(童)


90になって迎えにきたら


100まで待てと追い返せ



なにはともあれ元気で生きたいものである。












      2003年12月2日 竹富島