一枚の紙を渡された。


「JAPAN CUBA」の文字が飛び込んできた。



それは深夜のカフェでのこと。


天井のファンが闇とざわめきをかきまぜていた。


それぞれの想いが交差していた。



物静かな叔父さんだった。


「何処から来ましたか」


唐突に聞かれた。


「日本からです」と答える。


「ありがとう」


彼はそのまま自分のいたテーブルに戻っていった。



なんだったのだろう。


キューバでは声をかけられることが、とにかく多い。


話し好きのキューバ人、そのまま延々と話が続く。


あまりにもあっさりとした彼のやり取りにポカンとした。



30分ほど経っただろうか。


また彼がテーブルにやってきた。


一枚の紙を渡された。


まず「JAPAN CUBA」の文字が飛び込んできた。


片隅には「Friend ship forever」と書かれている。


それは彼がたった今、書いた詩だった。








      Time of sparrows


Jewells in the ocean the great islands


Are as goldenfishes in communion,


Peoples that love beautiful connotion


All time in the story of island


Near the sun your island and my island



Cinders will be the old times, the wether


Under the Nagasaki and Hiroshima grass


Birds of love, friendly's clouds, No Wars !


A time of sparrows, Japan, Cuba live together



Rogelio Sebastian

Cafe Santo Domingo

Old Habana Cuba

28-03-2004  Friend ship forever







       羽ばたく時


ふたつの偉大な島は、海に浮かぶ宝石


そこには黄金に輝く魚達が住んでいる


人々は平和に美しく暮らすことを愛している


流れる時間のすべては、物語を内包している


太陽に抱かれた島、あなたの島と私の島



灰に被われた歴史は、遠い過去の出来事になるだろう


広島と長崎は緑に被われ、生命を取り戻してゆく


鳥達は愛し合い、雲達は仲良くゆっくりと流れる


親愛なる島の住人達よ、羽ばたく時が来た


NO WARS!


共に声を挙げよう、共に行動しよう


ふたつの偉大な島、日本、キューバ、共に生きてゆこう



                        
(Transration by Kaneko)







愛と平和への強い想いが伝わってきて涙が出そうだった。


カフェ・サント・ドミンゴに棲む詩人


ロジェリオ・セバスチャン!


彼はその詩をプレゼントしてくれた。


大きなものに包まれて幸せだった。


おなじテーブルでいろいろな話をした。



時代は変わった


こうやって旅人が訪ねてきてくれる


良い時代だ


素晴らしいことだ


歓迎しようじゃないか



ひとつの大国だけが世界を動かすのは良いことではない


コーラを飲むのをやめようじゃないか


もっと日本のリンゴを食べようじゃないか


(ロジェリオ、俺はモヒートを飲むよ)



アテネでのオリンピックが楽しみだ


キューバの野球は強い


日本も強い


キューバと日本とアメリカ、決着をつけようじゃないか



心の音楽に耳を傾けなくてはならない


心の中でメロディーが鳴っていますか


心の中のメロディーを歌えますか


心のメロディーを歌にしなくてはならない


歌にして行動しなくてはならない


行動しなければ、夢は夢のまま


夢はただの望みとして終わるだろう









ありがとう、ロジェリオ。


午前3時を廻っていた。


手を繋ぎ祝福した。


出会えたこと。


今日の美しい夜。



別れ際、ロジェリオは腕時計を一時間進ませた。


今日からサマータイムだ。


季節が移ってゆく。


いくつもの夜を越える。


今が、羽ばたく時なのだ!


最も深い闇の先に、朝はやってくる。












         2004年3月28日 オールド・ハバナ