「プライベート・レボリューション」


自分の中から自然と仰々しい言葉が出てきた。




それは一ヶ月ほど前、キューバの首都ハバナを歩いていた時のこと。


若干年下の旅人から、写真のレクチャーを求められ、一緒に写真を撮りながら街を歩いていた。




「テツさん、やっぱ、キューバは絵になりますね。


日本もこれくらいカッコ良ければなあ。何とかならないすかね。日本も」




「うーん、それは、まず自分自身がカッコ良くなればいいんだよ。


自分が変われば自然と周りも変わってゆくと思うんだ。


誰かが変えてくれることに期待するよりも、まず自分が行動することが大切なんじゃないかな。


今までの革命は全て一部の人間が上から行っていたけど、これからは個人個人。


ひとりひとりのプライベート・レボリューションが必要だと思うんだ」




今から思うと随分と飛躍した話をしていて恥ずかしくも思う。


未だ革命がリアルな響きを持つ唯一の国、キューバにいたからかもしれない。


だけど、俺は思うんだ。


ひとりひとりのプライベート・レボリューションが必要だと思うんだ。