アミーゴ、何処から来た?


日本だ。


そうか、カピタルは沖縄なのか。


いやいや東京だ。


大きな街なのか。


ムーチョ・ムーチョ・グランデだぞ。


60階のビルディングがあるし


1000万人の人間がいるよ。


ニンジャはいるのか。


プラーロ(もちろん)


東京にいる半分はニンジャだぜ。


すげーな。







ウユニから列車に乗って南へ200キロ。


トゥピサにやって来た。


ここはガイドブックにも載っていない小さな町。


ただ行ってみるということを大切にしたい。


岩山に囲まれた標高2950Mの町をぶらぶらと歩く。



町外れの犬が吠えかけてくる。


うるさい奴だなあ。


犬は一歩前に踏み出すときゃんきゃんと逃げだす。


背を向けると追いかけて来て凄い剣幕で吠えまくる。


振り返ると尻尾をまいて逃げてゆく。


何をそんなに恐れているんだ。


おまえ、何処かの国の政治家に良く似ているよ。



山裾を回り込む道を越える。


赤い山。


白い山。


黒い山。


連なる。


広がる。


大きく息を吸う。







水を運ぶ親子と出会う。


ひととき立ち止まり別れる。


無口な少女が何度も振り返る。


手を振る。


小さく振り返してくれる。


ちいさき花よ。


俺は命の花を咲かせたいんだ。







大きな鳥がゆっくりと舞う。


青空。


風にのって何処へゆく。


風にのって何を求める。


紙飛行機のように山の向こうに消えていった。



ちいさなサボテンが地面にへばりついている。


羽音が聞こえる。


立ち止まり見回す。


背の高いサボテン。


てっぺんに白い花が大きく咲いていた。


水辺に緑。


木々に小鳥。


花に蜂。


命と命が寄り添う。







乾いた大地を乾き求め歩く。


分かれ道。


倒れた枝が示す方に歩みだす。


何処まで行けるだろう。


太陽の位置を確認する。


飲み水はもう無い。


静寂の中に調和が潜んでいる。












             2004年10月29日 トゥピサ