旅の空からの伝言
2004年8月1日 ラパスより
この旅を始めてから一年が経ちました。
いままで無事に旅が続けられたことに感謝します。
そして、静かな振動を訪れ、旅を見てくれる皆さんに感謝しています。
ありがとうございます!
毎日が旅立ちであり誕生日であり世界が進化するプロセス。
みなさんの日々や旅からいただく振動が、俺の旅を前に進めます。
ラパスにやってきました。
此処は標高3650Mにあるボリビアの首都(実質上)です。
まずは一年以上放ったらかしだった髪を切ります。
穿き続けて縦糸が擦り切れ破れまくったズボンを新しくします。
公園で靴を磨いてもらい、ついでに歯ブラシも新しく。
後はビール飲んで洗濯してフォルクローレ聞いて。
この街には日本語で書かれた書籍を借りられる施設もあるので
日系移民について書かれたものを読んでみようと思っています。
■helloくんへのレスポンスより
どうもありがとう!
helloくんと北海道で会ってから、ずいぶんと遠くまで来たなと思うよ。
この辺りは日本から見て地球の裏側と言っても良い。
ボリビアはペルーの南。
ペルー、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン、チリに囲まれた海の無い国です。
北海道ではhelloくんに親切にしてもらったり、いろいろ教えてもらったり、
バイクで走ったり、魚を食べたり、銭湯行ったり、ホント楽しい時間だった。
でも、どんな事があっても、あの時に戻ることは出来ない。
ひと時出会い、通り過ぎてゆく。
だから大切にしたいよね。
こうやって書き込んでくれたり繋がってゆくこと嬉しいです。
俺は、その地で生活している人のことをまず考えて旅をしたいと思っている。
人々が生活している場所にお邪魔させてもらっていると思っている。
確かに食事が合わなかったり、環境が厳しかったり、物騒だったりもするけど
その場所には必ず人々の生活がある。
その視点だけは無くさないようにしたい。
いつも文句を言いながら旅してる人は大切な何かを失い続けているように思うんだ。
(言いたくなる気持ちも分かるし、俺も同じように感じる時もあるのだけど)
旅人の資質、旅の本質。
よく分からないまでも、言葉にすることで、何だろうと考えるのが良いんじゃないかな。
目的が無いのが目的とは言うものの、掴まえたいものはある。
俺は旅も生活も日常も人生も同じ生きることだと思っています。
また、いつかhelloくんと旅の時間を過ごしたいね。
北海道、気をつけて走って来て下さい。
良い旅を!
■イチワキさんへのレスポンスより
ありがとう!
やっと一年、もう一年、まだまだ通過点。
たったひとりでお祝いの晩餐に行ってステーキが乗った焼けた石で火傷して
ぬるいビールを勢いよく注ぎ過ぎて、テーブルをびしょぬれにしました。
俺もカッコ悪い連続です。
髪の毛も、ひたすらうっとおしい。
量が多くてクセっ毛がうねって超ビッグ・ヘッドです。
良く言えばドレッドをほどいた感じ。
伸びすぎた髪を見ながら一年という時間の長さと可能性の大きさを感じるよ。
イチワキさんは思いをどんどん現実にしてゆく人だから
今度会える時、どうなってるのかホント楽しみだな。
イチワキさんならではの隠し味を加えて地球をばんばんシェイクしちゃって下さい。
良い日々の旅を!
■ぴょんちゃんへのレスポンスより
いやいやビックリした。
そんな偶然もあるんだなあ。
その本の登場人物カネコくんはまさしく俺です。
ホントに本になったんだなあ。
まさに、ぴょんちゃんと波照間島で海を見て、石垣でビール飲んで別れた、翌日のこと。
俺が多良間島のちとせ旅館で一緒に飲んだ(オトーリした)人の著書だよ。
沖縄の島を全部廻って、その旅を本にすると言っていた。
読んでみたいな。懐かしい。
多良間島にも行きたいし、ちとせのマスターにも会いたい。
やっぱ旅は良いなあ。
振り返ると一年という時間はあっという間でした。
まだまだ通過点。
イントロダクションは無し。
日本の社会は走り続けることを要求するけど休んだって戻ったって逃げたって良いんだ。
自分の速度で自分の旅をしよう。
旅を続けよう。
2004年8月3日 ラパスより
「ジョ・キエロ・ステイ・マス・ウナ・デイ」
相変わらずスペイン語と英語(と日本語)がチャンポンになった無茶苦茶な言葉を使っています。
(でも、案外通じるのだな)
自分の中で実像と結びつく言葉と、なかなか馴染まない言葉があるようです。
スペイン語の「マス」などは英語の「モア」より自分の感覚に近いようです。
「ホワイ?」はスペイン語だと「ポルケ?」
これは何だか相手を小馬鹿にしているようで自分にとっては使いづらい言葉です。
ラパスは良い天気です。(でもフリオ)
ムーチョ・カリエンテな夏を過ごす日本の皆さん、体調に気をつけて下さいね。
暑中お見舞い申し上げます。
■あいかさんへのレスポンスより
地球の裏側から「金子 鉄朗です!」と4ヶ月振りに実家に電話をいれると
「声が違いますよ!」と母親に冷たく言われたのでした。
オレオレ詐欺と間違われた。
なかなかホントの思いを表せないのも家族だね。
そういうのも、また良いんだ。
しかし、不思議だ。
グアテマラでほんの1分話しただけのあいかと、こうして日本とボリビアで話してる。
そう。
地球なんて人さし指でくるくる廻せ。
■コーヘイくんへのレスポンスより
遊びに来てくれてありがとう!
元気にしてるのかな。
こちらはクスコもマチュピチュも行かずナスカの地上絵も見ずにボリビアまで来ました。
チチカカ湖の島は、俺はすごく良かった。
アマンタニ島1泊、タキーレ島に2泊して来ました。
もう一度、行ってみようかと思っているくらい。
個人的には島は泊まって朝と夜を感じてこそと思っている。
でも、日帰りでも充分楽しめる。是非!
もう少しラパスでゆっくりしてからサンタクルス→オキナワに向かいます。
一緒に泡盛飲もう!
2004年8月4日 ラパスより
レコーディングをして、リリースして、ツアーで演奏して初めて曲が完成する。
そんな事を言っていたミュージシャンがいました。
サイトにアップしないと何となく次が書けない最近です。
書いてみたいことは、たくさんあるのですが。
ここ、ラパスではデータが送れるネット屋が見つかったので、どんどん更新したいと思います。
月の谷&動物園。
今日はラパス近郊に行ってきました。
リャマ、アルパカ、ビクーニャの区別がつくようになりました。
コンドルは寝ていた。
■ナカニシトモコさんへのレスポンスより
おおお!
中西ちゃんだ!!
びっくりするなあ。嬉しいなあ。
ボリビアは−13時間の時差だから地球の裏側みたいなものだね。
でも、こうやって話せてあまり距離を感じないな。
南半球は冬です。
青い空に雪をかぶったアンデスの山々がきれいだよ。
陽射しは強く思い切り日焼けするのだけど、日陰は寒い。
朝晩はかなり冷え込みます。
いつか必ず中西ちゃんのライブに行くよ。
活躍してるね。
ビッグになったものだ。
あの時の女子高生がどんな素敵な女性になってるのか楽しみだ。
良い日々の旅を!
2004年8月5日 ラパスより
微やかな全宇宙の霊魂よ
ちいさな素晴らしき存在よ
俺は微笑む命の花を咲かせよう
世界は通りすがりのように
ちょっと足を止め
うなずき
過ぎ去ってゆく
俺は七色の虹をかけ
終わりなき旅を続ける
暗闇に揺れる体温の炎
涙を流し
笑い声をあげて
終わりなき道をゆく
やがて全てが過ぎ去り
辿り着く場所
優しい太陽のキッス
最期の挨拶
俺は俺の歌を歌おう
■まきまきさんへのレスポンスより
ひさしぶり!
旅を見ていてくれてどうもありがとう!
ドカンとTAM2演りたいなあ。
バージョン・アップして必ず演るよ。
その時はお知らせしますのでよろしく!
旅に変化を求めている訳ではないけど
つくづく自分は変わらないなあと思います。
良くも悪くも変化する心と共に
深まったり広がったりしてゆけば良い。
静かな振動を通したたくさんの存在が大きな旅の支えになってます。
バックミラーの中で小さくなっていった姿も良く覚えています。
ありがとう!
ジュンさんと凛としたおばあさんにも、
元気に旅をしているとよろしくお伝え下さい。
良い日々の旅を!
■ひろみさんへのレスポンスより
ひさしぶり!
書き込みどうもありがとう!
ななちゃんもう一歳なんだな。
おとうちゃんも元気なようで何よりです。
お世話になった海っぺりの部屋、思い出します。
キューバのマレコン通りの曲線や、ハワイの眩しい光や、たくさんの温かい記憶と重なる部屋。
また訪ねたいけど、もう旅立ちなんだね。
いつもながら、ひろみちゃんの視線には優しさを感じて良いなあと思います。
たくさんの時間を生きた俺たちは、赤ちゃんの目だけでなく、いくつもの視点を同時に持つことが出来る。
そうすることにより、特別な存在として、全ての特別な存在を尊重出来るようになるのだと思います。
燃やしてこそ命!
次の旅先が決まったら是非教えて下さい。
旅の途中でまた会いに行きます!
今井ファミリーの幸せな旅路を地球の裏側から祈っています。
■アンリさんへのレスポンスより
ひさしぶり!
無事、日本に戻ったのだな。
良かった良かった。
ミャンマー、バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン。
きっと、たくさんの充実した時間を経て、実り多い旅だったと思います。
一緒に過ごしたバガンはホント楽しかったよ。
スティーヴ・マッカリーみたい!と写真と褒めてくれたこと、
そんなオーバーなと思いながらも、嬉しかったです。
しばらくは日本での生活なのかな。
また何処かで会えること楽しみにしています。
2004年8月6日 ラパスより
今日はボリビアの独立記念日でした。
のんびりと賑やかな一日でした。
明日、ラパスを離れます。
次に目指すのはオキナワ。
ボリビアにあるオキナワは沖縄からの移民が開拓した村で
実際に「OKINAWA」という名前で正式にボリビアから認められています。
今年の8月15日が移民50周年になりお祭があるのだそうです。
南米への移民の歴史は105年になり一世はもうほとんどいない。
今では日系6世までもいる。
1868年:ハワイ
1897年:メキシコ
1899年:ペルー
1908年:ブラジル
1924年:キューバ
1929年:コロンビア
「OKINAWA」へは50年ということだから
まだまだ1世が現役でいるはず。
いろいろと話が聞けたらと思っています。
50年前ということはちょうど第二次世界大戦が終わった直後。
戦争も移民も経験してきたおじいおばあが生きているのです。
大好きな沖縄の人たちに会ってきます。
泡盛飲んでカチャーシー踊って三線が弾けるかも。
久しぶりに濃い空気(標高は500mくらい)も吸ってきます。
ラパス→コチャバンバ→サンタクルス→オキナワの大移動です。
2004年8月10日 サンタクルスより
サンタクルスにやってきました。
ひさびさの短パン。
空気が濃い。
緑が濃い。
部屋には大きなアリ。蚊に刺された。登った屋根には瓦からサボテン。
数日この町で過ごしてからオキナワに向かいます。
サンタクルスにはオキナワ農協が経営するスーパーオキナワがあり、あんぱんも買えるそうです。
ナイスな沖縄料理屋もある。
何だか島に渡る前に公設市場に寄るような感じです。
此処まで来るとパラグアイが近いなとか、西へ進んでブラジルへ入ってしまおうかなどと思ってしまいます。
■佐藤くんへのレスポンスより
クスコで麻雀の日々かと思ってたら、ラパスとは!
しっかりオキナワに合わせて南下してるじゃないか。
来るしかない!
待ってます!
飲もうね!
■コーヘイくんへのレスポンスより
いつの間にラパス。良い感じだね。
サンタクルスではオリエントという宿に泊まっています。
一番奥11号室。
良いよ。
オキナワへは祭の数日前に行ってホームステイさせてくれる所を探すつもり。
久しぶりに会えるのを楽しみにしてます!
■あいかさんへのレスポンスより
オキナワ移民の入植日が8月15日というのは、たまたまなんだけど何とも意味深。
韓国の人にとっては解放記念日なんだね。
なかなか気付かずにいるけど、その通りだ。
中国との関係も今更ながら色々と考えてしまう。
原爆については落とさせた日とも思うようにしています。
過去のことにしてしまわないで未来を生きてゆかねばならないんだね。
2004年8月11日 サンタクルスより
南米を旅していると国ごとの変化をほとんど感じません。
言葉や人種や食事などがあまり変わらないのです。
しかし、ラパスとサンタクルスの違いは凄い。
これが同じ国なのかと疑うくらいの大変化です。
環境(標高差3000M)が大きいのだろうか。
スーパーオキナワでは不覚にも泣いてしまいそうになりました。
店頭に並んだ日本語で書かれた煎餅のパッケージを見ている時です。
(サラダせんべい、おばあさんのポタポタ焼き、こつぶっこ、海苔巻き煎餅など)
見慣れた言葉は、こんなにも安心感を与えてくれるのかと自分でもびっくり。
サーターアンダギーを買いました。
明日、オキナワに向かいます。
■やじまくんへのレスポンスより
もうひとつのオキナワが目の前だよ。
移民50周年のお祭ということで此処を目指してくる旅人も多いのだけど、
思い入れは誰にも負けないつもり。
直接おめでとうを言いたい。
強い心の人に会いたい。
俺が登場している例の本は、ぴょんちゃんがメールしてくれて、すでに読んだんだ。
うわばみは大げさ。
著者である彼が弱いんだ。
でも、標高も下がったことだし、美味しくたくさん飲みたいね。
宮古島楽しんで来て。
広瀬くんによろしく伝えてください。
大神島は良いよ。
■あいかさんへのレスポンスより
俺は俺であるからそれで良い。
そう思っています。
2004年8月16日 サンタクルスより
オキナワはオキナワでした。
当然ですが、沖縄ではない。
当然ですが、日本ではない。
明日にはラパスへ向かいます。
■へびGさんへのレスポンスより
ありがとうございます!
元気にしています!
オキナワはオキナワでした。
子供達のエイサーの練習を見ながら、へびGさんが三線を弾く姿を思い出していましたよ。
チェンマイでは、久しぶりのゆっくりした休みだったのではないでしょうか。
美味しいものをたくさん食べてきましたか。
普段はもっと緊張感を持たなければと思っているのですが
日本の言葉に触れてホッとする自分がいて、
それなりに気が張っていたのだなと気がつきました。
まだまだ旅は続きます。
■あいかさんへのレスポンスより
離れてみて分かる大切さ。
あればあったで、ないものねだり。
全てが欲しくて、から回りするのだなあとも思います。
こちらこそ、ありがとう!
■いしだひろやすさんへのレスポンスより
ビアガーデンの営業時間は17時から22時までだそうです。
以前、京王のビアガーデンで盛り上がって、そのまま伊豆の温泉まで行ったことがあります。
0時を過ぎ海がザバンとお湯に入ってきた。
きっと全てが大体同じ一歩なのでしょう。
その一歩は小さいけれど、ふと振り返った時、遠くまで来たことに驚きます。
時間の持つ可能性は思っている以上に大きいみたいだよ。
俺はボリビアまで来ました。
また新しい旅を始める気持ちでいます。
何処までゆくのかな。
旅の途中で会いましょう。
■ライター浅野智哉さんへのレスポンスより
「私たちは歴史を俯瞰で見るのではなく、「私」が歴史の一部であることに、
もっと思いをはせないといけない。悲しい過去と同じ歩幅で歩いてゆかなければ、
過去や未来と、本当の意味で語り合えないんじゃないかと思います」
浅野くんからのメールの一部を、そのままここに披露させていただきました。
(先日、彼がインタビューした柳美里さんの言葉だそうです)
北島選手の話、すごく良い場面を見せてもらったかのように読みました。
お婆さんの言葉、こちらも頭が下がる思いです。
凄いなあ。
ホントのことは。
人間が生きている。
今日も俺は俺の旅を続けます。