旅の空からの伝言


2004年10月13日 ラパスより


干上がっていた川にちょろちょろとした水の流れ。

枯野だった大地の所々から緑が現れる。

黄金色だったチチカカ湖の葦も色づいてきました。

冬から春へ。

南半球も季節が移り変わってゆきます。

ラパスに戻って来ました。

ソラタは谷間にちょこんとへばりついた桃源郷でした。

雪山がそびえ、赤い花が咲いていました。

24キロを気持ち良く歩いてきました。

旅をしていると仕事がしたくなり、仕事をしていると旅がしたくなる。

誰かといるとひとりになりたくなり、ひとりでいると誰かに会いたくなる。

基本的に無いものねだりな性格なのでしょう。

今しか出来ないことを大切にしたいと思います。

感謝を忘れず命を燃やす。







■helloくんへのレスポンスより


仕事を辞めたのか。

ちょっと驚いた。

何か考えがあってのことと思います。

幸せな旅を、幸せな日々に繋いでいって下さい。

余市に行ったんだね。

helloくんと過ごした余市・オカモトは最高だったな。

俺もまたいつかオカモトを訪れてみたい。

しかし、ママが入院しているとは。

あの観音様のようなママの元気な笑顔を見たい。

またママとhelloくんと楽しく過ごしたいなあ。

はやく元気になるよう。

ずっと元気でいるよう。







2004年10月15日 ラパスより


良い時間をありがとう!

良い顔をありがとう!

誰もがそれぞれの想いを抱き世界に飛び出している。

出会えたこと、過ごした時間、全てが宝物です。

ありがとう!

出会えた全ての旅人達にありがとう!

彼らの写真をアップさせていただきました。

旅は終わらない。

同じ時代を生きている。

光を見つめ続けます。

■「旅人・その1」:http://www1.u-netsurf.ne.jp/~silent/a-world-0200-02.htm



★今メール・ボックスを開いたら嬉しい報告が。

姪が誕生しました!

3250g。

まひろ(希優)です!







■ライター浅野智哉さんへのレスポンスより


おめでとうをありがとう!

希優(まひろ)、俺もホント良い名前だと思っているよ。

彼女に会えるのはいつになるのだろう。

日本に寄る楽しみが増えた。

今一番旅したい国は日本。

いずれ長い旅の途中で、日本も旅したいと思っています。

新しい命の誕生に、命の巡りを思う。

春の訪れには拓海(甥)の誕生日を思い起こす。

秋の訪れには希優(姪)の誕生日を思い起こす。

幸せなことだと思うよ。

世界の状況や環境を前にして、子供の誕生を100%で喜べない自分がいたのだけど

今は、もっと肯定的に受け止められる。

受け渡す大人たちと同じくらい、引き受ける子供達にも責任がある。

目の前のものにためらいなく触れてみる子供達の勇気を見習いながら

獲得した経験をポジティブな振動に換えて感謝しながら前に進みたいと思うよ。

たくさんの景色と表情に触れたいね。

俺のいるボリビアは、この頃、時々雨が降る。

緑が蘇った。

春が訪れた。

俺はあくびひとつ。







■Masaくんへのレスポンスより


喜んでもらえて、俺も嬉しいよ。

事後報告おゆるしを。

ドイツからのアクセスも、嬉しいやら、申し訳ないやら。

ホントは出会えた旅人全てを載せたい。

写真を撮れなかった旅人も多い。

Masaくんは代表選手。

良い顔をありがとう!

引き続き良い旅を!







■佐藤くんへのレスポンスより


ひさしぶり!

喜んでもらえて良かった。

佐藤くんの写真は好きなのがたくさんあって、どれを使おうか迷ったくらい。

一枚だけなのが惜しい。

もう日本にいるのだなあ。

日本にいる佐藤くんを想像できない。

もう一度、マージャンやりたかったなあ。

また何処かで!

良い日々の旅を!







2004年10月16日 スクレより


夜行バスで夜を明かし、朝着いた初めての町で、その日の宿を決める。

自分へのご褒美にちょっと朦朧とした頭でゴクゴクゴクとビールを飲む。

そんなビールが好きです。

本日、442日目の長い旅の途中。

ラパスを離れ夜行バスに揺られスクレにやって来ました。

1825年2月9日にボリビア独立宣言が行われた町です。

初代大統領ホセ・デ・スクレの名前が付けられています。

標高が2790mと、かなり下ったので随分と過ごしやすく感じます。

半袖、短パン、ビールが美味い!

おいしい中華屋があるのも嬉しい。

「これ何?」とメニューを差すと、フゴフゴと鼻を鳴らし

ブタの真似をしてくれたラパスのオジサンを思い出しました。

今後は少しずつ南下してアルゼンチンを目指します。







■ぴょんちゃんへのレスポンスより


東京から新大阪まで新幹線で3時間弱。

乗っている時間を長いなあと感じるのが、日本に住む多くの人の時間感覚だと思う。

自分も旅の最初の頃は、3、4時間のバス移動を長いなあと感じていた。

今は、10時間くらいまでの移動は長距離に入らない。

26時間のバス移動を経験したのが大きいかな。

こちらのバスはパンクはするし、すぐに動かなくなる。

坂道を登るスピードは、ケーブル・カー並み。

道はでこぼこで座席から飛び跳ねる時もある。

景色が見れないのと、安全面に問題があるので(緊張感を強いられる)

なるべく夜行バスは使わないようにしてるのだけど、使わざるを得ない時がある。

寝れない夜を明かし、朝、テルミナールに着くと、よくやったと自分に思うよ。

宿に落ち着くとホントほっとする。

ビールを飲む。

この時期の利尻・礼文は人が少なく、自然を味わうには最高だったんじゃないかな。

親切にしてもらえて良かったね。

今度、小樽の近くに行った時は、余市(積丹半島)をお薦めします。

宿は「岡本」と「おしょろ」

どちらもライダーハウスだけどバイク乗りじゃなくても大丈夫。(冬は休んでるかも)

自分が泊まった中で最高の宿と人です。

「岡本」は素泊まり1000円。

宇宙温泉に浸かり、市場で刺身を買って、ビールで乾杯。

(ニッカの工場でウイスキーの試飲も出来る)

脂ののったバカうまトロ秋刀魚なんて一匹60円で、その場で刺身にしてくれて、お腹一杯だよ。

運が良ければ、岡本ママのサイコーいくら丼が御馳走になれるかも。

「おしょろ」は2食付2350円。(余市から10キロ)

ここの夫婦もサイコーなんだ。

食事は「たましろ」並みの量で、「たましろ」を遥かに越える美味さ(これホント、驚愕)

夜は焼酎と味のある親父とのトーク付き。

積丹半島の景色も凄く良いんだよ。(「46億年の風景」参照)

いやいや長々と書いてしまいました。

旅を続けよう。







2004年10月19日 ポトシより


標高差はパソコンにとっても負担なのだろうか。

高所に来ると、なかなか立ち上がらなくなるのです。

標高4070M。

スクレからポトシにやってきました。

此処は世界で一番高所にある町です。

かつて銀の採掘で栄えたポトシ。

今も細々と行われている鉱業が主要産業です。

明日はお土産にダイナマイトを持って鉱山の見学に行ってきます。







■なおとへのレスポンスより


おお!なおと!

良く憶えているよ。

静かな振動を見てくれて、ありがとう!

大切な瞬間を掴み取れていれば良いんだけど。

今度は是非なおとの写真を撮らせてもらおう。

「相手や自分が同じ人に同じ事を何度も話すのはとても幸せなことなんじゃないかな」

何気なく俺が言ったこと、良く憶えていたね。

俺は全く憶えていないぞ。

此処で教えてもらわなけりゃ、また、なおとに同じ話していたかも。

俺が10代の頃は、人から同じ話を聞くのを、うっとおしいと思っていたんだ。

「その話、もう聞いたよ。そんなことも憶えてないのか。時間の無駄じゃないか」

そんな感じ。

自分も同じ人に同じ話をしないように気を張っていたな。

スピードや効率を重視していたのかな。

いつの間にか、考え方が変わっていた。

同じ話を何度もするのは、ホントに伝えたいことがあるから。

同じ話を何度もするのは(愚痴は除く)、幸せな時間を共有したいから。

そんな話を聞きながら、一緒にいる人が幸せそうな様子を見ているのは、俺も幸せだよ。

そういうのは遠回り(時間の無駄)だと思わないし、遠回りも、いいじゃんかと思う。

10代の自分が、些細なことに腹を立てていたのは、本質が良く見えていなかったからだろう。

なおと。

俺もまた会いたいと思うよ。

考え方が変わったり、会いたい人が増えたり。

歳を重ねることは、すごく素敵なことだと思うな。

良いなあと思うことは、遠慮なんかせず、どんどん取り入れて、自分のものにしてしまおう。

それが世界が素敵になってゆくプロセス。

静かな振動もその精神でやってます。

良い日々の旅を!







2004年10月21日 ポトシより


「御宴会 出張パーティー ふじ」

「群馬県立館林商工高等学校」

「中国料理 開楽 東名厚木インターそば」

「白鳳病院 職員送迎用」

「南紀 椿楼 国際観光旅館」

「しらとり幼稚園 園児送迎バス」

そんな文字がボディーに書かれたミニ・バス(ワン・ボックス)がポトシには走っています。

(他にもスイミング・スクールや教習所など多数)

日本では現役を退いたバス達が、まだまだ海外で頑張っています。

以前ペイントされた日本語をファッション・飾りとして残しているようです。

「保証書保証書」と書かれた、よく分からないのまでありました。

日本語と中国語は同じ(日本人は中国語をしゃべる)と思っている人も多いようです。

「これは中国語なんだよな」

「違う。日本語だ。日本語と中国語はムイ・ディファレンテ。

ブエノス・タルデスは、日本語ではこんにちは。中国語ではニーハオだ」

公園で読んでいる本を覗き込んできたオジサンに言うと、もの凄く驚いていました。

先日、ナイフとフォークで餃子を食べたら別の食べ物のようでした。

違う味がしました。

美味くない。

「チョップ・スティックス・ポルファボール」

やはり餃子には箸です。

ほおばった口の中で肉汁がジュッ。

司馬遼太郎を読んでいます。

井上靖、ヘッセ、沢木耕太郎、などに続いて初読書。

旅人と本を交換したり、貰ったりするので、普段ならまず読まないような本が読めます。

浅野智哉が読みたい。

本日のBGM、トレイシー・チャップマン、ニコラ・コンテ、カエターノ・ヴェローゾ。

明日はウユニに向かいます。







■あいかさんへのレスポンスより


まっきーは47回のピースボートに乗るらしい。

いつの間にか仕事を辞めて、沖縄の某町役場の試験を受けたりしているらしい。

先日の「平ら」な人の質問、時々考えるのだけど、今でも俺には良く分からない。

「まるい人」、「とんがった人」なら、分かるんだけど。

人は弱くて傷つきたくなくて、とんがった針を伸ばしていると思うんだ。

その針で(自分の意志ではなくても)いつの間にか他者を傷つけてしまう。

そのことによって自分も傷ついている。

俺は針を伸ばすのは、悪いことばかりじゃないとも思う。

ホントの痛みを知って、他者の視点を持てるようになった者だけが、針の間を埋めることが出来る。

より外側に大きく張り出した者の方が、痛みに気が付けるし、

大きな「まる」(星)になれる可能性があると思う。

他者を傷つけるのが良いとは思わないが、そうやって関わりあって、全体は生きてゆくのだと思う。

(餃子が美味いなあとか)

自由でいることは、実はとても厳しいこと。

全てが勉強だ。

この世の修行は奥が深くて面白いよ。

もっともっと幸せになってもっともっと幸せな人を増やしてね。