旅の空からの伝言


2004年4月9日 ブエノスアイレスより


ボリビアから

ウルグアイから

チリから

ブラジルから

パラグアイから

実に5度目のアルゼンチン入国。

ブエノスアイレスにいます。

吹く風はイキナリ秋。

短パン・Tシャツから一転、フリースと毛布を引っぱり出しました。

4ヶ月振りに御馴染みのヴィクトリア・ホテルに落ち着いています。

住人たちも元気だ。

ベランダには葡萄が実っています。

すっぱ。







■ひさのさんへのレスポンスより


おひさしぶりぶりぶりダイコン喰いたい。

書き込みどうもありがとう!

先日、NHKを見る機会があって、桜の開花を毎日のようにニュースでやっていて、

そんなのは日本だけだろうな変わった国だと思ってた。

今は何だか緑茶がブームだそうで、茶葉の値段が高騰してるともやっていたよ。

大丈夫、大丈夫、ひさのは大丈夫。

俺が太鼓判を押す。

でも内定もらうより社長になって下さい。

そろそろ南米に飛ぼうと目論んでるのだろう。

俺はそろそろ別の大陸に行くよ。

ぼちぼちエアーチケットを調べてみるつもり。

また世界の何処かで会おう!

(日記も見せてね)







■まさ@日本旅館さんへのレスポンスより


先づもニモマケズ

緑一色ニモメゲズ

やってきましたブエノスアイレス

オープンリーチ・イッパツ・ツモ

ひさびさの道場破り

楽しみにしてます

オテヤワラカニネ







■みっつんさんへのレスポンスより


再度、書き込んでいただきありがとうございます。

こちらこそ感情的になって削除してしまいました。

申し訳なく思っています。

前回のぱくりとの御指摘を受けて、いくつか考えたことがあります。

(何処のことを指摘されているのか分からなかったので)

感銘を受けた文章や詩が、その影響さえ気付かぬほど沁みこんでいて

それに気付かず自分のものとして浮かび上がってくる。

自分の書いたもの(全ての表現)には、そういったこともあるのかもしれない。

それが、まず一点。

また、どこまでがぱくりの範疇なのだろうといった問題。

説話に題材を取った芥川龍之介のいくつかの短編。

李白を彷彿する「奥の細道」の冒頭の文章。

「愛している」といった表現が使われる、あまたあるポップ・ソング。

そういった表現を自分はぱくりだとは思いませんが、

ぱくりだと言う人を否定は出来ないと思っています。

自分は様々な人や表現に影響を受けているのは事実ですので、

それらが感謝や敬意となって、

または良い影響や良い発展形として自分独自のものとして現れるよう、

また、単なるぱくりとは受けとられないようなものを作らなければと思いました。

本題です。

みっつんさんが御指摘されました「遠く甘く 近く甘く」に書かれている

「ウサギのバイクで逃げ出そう 優しいあの娘も連れて行こう」

「マンモス広場で8時 わざとらしく声をひそめて 

ふくらんだシャツのボタンを ひきちぎる隙など探しながら」

「で・でん・でん でっかいお尻がだーい好きだ ゆっくり歩こうよ」

は、スピッツのアルバム「名前をつけてやる」から、歌詞をそのまま使っています。

今、読み返してみますと、みっつんさんが、ぱくりと御指摘されるのも

無理もないかと思いました。

自分があれを書いた時に思っていたのは

「カセットを押し込む」「助手席で歌う」「同じ歌声が流れ出す」

といった前後の流れから(それと言葉のトーンの違いから)

あの部分は何らかの実在する歌からの引用であることは伝わるだろう。

そういったことです。

そして、もしスピッツのあのアルバムを知っている人がいたら、

「知ってるよ、あれ、あれ」と密かに喜んでもらえるかなとも思っていました。

そういった効果も思って、歌詞を引用し、そのまま使ったのです。

あの部分を自分が書いたものとしてアップしたつもりは全くありません。

自分が書いたもののように見えるようにとアップしたつもりも全くありません。

しかし、今、読み返してみると、

みっつんさんのように感じられる方もいるのだろうと思われます。

自分の思い込みと、非営利である個人サイトという甘えがありました。

お詫びと訂正をさせていただきます。







■GKさんへのレスポンスより


先日、ボカ・スタジアムにサッカーを観に行って来ました。

広い空間でビールを飲むのが好きなので、場内禁酒なのは残念でしたが

ゲームを遥かに超えた熱い熱い応援を堪能してきました。

スタジアムの周囲は警官に取り囲まれ、席に着くまで3度のボディ・チェック。

試合が終わっても歌い拳を突き上げるサポーターの熱さが印象に残ってます。

この伝統ある場所で若き日のGKさんも観戦されたのだろうなと思いました。

ブエノスには4ヶ月ぶりくらいでやって来ましたが、やはり懐かしく感じましたね。







■プリマヴェラさんへのレスポンスより


PCの故障はマサノリくんから聞いていました。

ノブカツくんからは先日プリマヴェラさんと電話で話したと聞きましたよ。

弓場ではプリマヴェラさんも使った部屋に泊まっていたのですね。

俺は頭の上に大きなシロアリの巣がある奥のベッドを使っていました。

ハチやセミや蛙やネズミや鳥。

子供たち以外にもたくさんの訪問者があり賑やかな部屋でした。

ブエノスアイレスは大都会だけあって様々な催し物も多いので

タイミングを合わせて訪れるのも良いかもしれません。

サッカー、タンゴ、ミュージカル、牛肉、ワイン、大人の不良達、御堪能下さい。







■かおかおパンダへのレスポンスより


かおパン!ひさしぶり!

いつも展示の案内を送ってくれているね。

ありがとう!

頑張ってる様子、知ってるよ!

日本にいる時には必ず行くから!

またかおパンとかおパンの絵に会えるのを楽しみにしている!

心も体も元気出していこうぜー!!!







■キホさんへのレスポンスより


美味しそうですねー

お座敷やお花見などシチュエーションを含めて食事を楽しむ。

地球の裏側からは日本の文化として輝いて見えますよ。

アルゼンチンではドブレ(doble)と表示された米が比較的日本米に近く

宿も自炊の出来る場所が多いので食事にストレスを感じることは無いですね。

ステーキ&ワインが一番チープな食事です。

(そして美味い!)

醤油と山葵でさっぱり喰ってます。

昨日は「タンゲーラ」(TANGUERA)というミュージカルを観て来ました。

仲間同士の友情や、三角関係の恋愛や、決闘のシーンなど全て、

タンゴ(踊り)で表現していました。

一番前のど真ん中の席で、息づかいも伝わり、洗練だよなあと楽しんで来ました。

何もない所でのんびりするのが好きですが、都会で過ごすのも時には良いですね。







■ゆっこさんへのレスポンスより


卒園おめでとう!

保育士としての仕事、お疲れ様でした。

ホントに韓国へ留学するのだなあ。

まずはタイだね。

俺はアユタヤとサムイ島しか行ったことはないのだけど、どちらもお勧めです。

後はムエタイとカオパップーとパッタイとソムタムとチャンビア。

バンコクは排気ガス凄いです。

出発までいろいろと準備が大変だと思うけど忙しさも楽しんで下さい。

幸せな旅路であるよう!

良い旅を!







2005年4月15日 ブエノスアイレスより


ふとなぜかレコードのほこりを取るスプレーの匂いが思い出され

何とも懐かしい感じに包まれました。

ブエノスアイレスの風はひんやりとして朝晩は寒いくらいです。

街路樹は黄色く色づいています。

両手で包むコーヒーカップの温もり。

先へと向かう時はワクワクする気持ちが強いのですが

立ち去りがたい街もあります。

降り続いた雨が止みました。

サンチャゴへと向かいます。







■やじまくんへのレスポンスより


生涯、旅をして、人生の最後、吹雪の中で旅人は神様に言う。

「自分は悪人で、恋人にひどいことをした。 無駄に費やした人生だった」

すると神様が言う。

「私はお前に、自分のやり方で 生きていてもらいたかった。

お前は神の名において、放浪者だ。

お前の人生の目的は、普通の生活を送る人たちに、

すこしばかり、自由へのホームシックを与えることだった。

お前が苦しんで、楽しんできたことで、私が一緒に苦しんで

楽しまなかったことは、ひとつもないんだよ」

これは、ある人が贈ってくれた、ヘッセの小説の中に出てくる旅人の話。

時々思い出して励まされている。

会社を辞めて旅をしようとした時に、

別のある人から「社会人としての責任を放棄するのか」と言われた。

俺は「まずは自分を幸せにすることが、人としての責任だ。

幸せになるために遠慮をしてはいけない」と答えた。

組織。

経済。

教育。

国家。

福祉。

環境。

思想。

文化。

政治。

民族。

生活。

人によって世界を見る中心はそれぞれで。

人によって世界に立つ中心はそれぞれで。

それぞれが、それぞれで、それぞれに縛られずに存在しているのが良いなあと思っている。

決意表明のような書き込みをありがとう!

あれも、これも、全てを含めて、同じひとつの旅なんだと思っているよ。

良い旅を!







2005年4月18日 サンチャゴより


チリの首都サンチャゴにやってきました。

日曜日の夜の街を歩いてみました。

多くの人がぶらぶらと歩き、ベンチに座り、語り合い、

チェスをやり、ジェラートを食べ、歌い、ステップを踏み、

のんびりした空気が流れ、とても幸せそうに見えました。

小銭をもらい望遠鏡で月を見せているオジサンもいました。

点のような小さなクレーターでも、このチリと同じくらいの大きさがあるのだそうです。

同じ瞬間にも誰かが何処かで同じように地球を眺めているのかな。

まずは航空券を探します。

次に向かう候補はイースター島かキューバです。







■服部まゆこさんへのレスポンスより


コーモ・エスター?

オオ、ブエノ。

シーシー。ビエン、ビエン。グラシアス!

書き込みもグラシアス!

現在のキューバへはドル以外を持っていけば大丈夫なのか。

ということは、ドルは完全に使えないということなのかな。

ドル使用禁止とは聞いていたけど、結局以前のように庶民のドル使用だけが禁止されて

旅行者はドルを使うということなんじゃないかなあと解釈していたのだけど。

やるなあ。

カストロ。

完全に我が道をゆくだね。

やっぱキューバはへん。

おもしろい。

しかし、ドル以外に持ってるのは850円。

サンチャゴでは友人のアパートに転がり込んでいるのだけど

着いた時に、本棚を見て、びっくり。

そこに自分が以前読んでいたヘッセ短編集があった。

これは俺がラパス(ボリビア)で入手してカラファテ(アルゼンチン)に置いてきた本だった。

(その時は宿のヘッセ詩集と交換)

その後、別の旅人によってカラファテからウシュアイアに行き、

自分の友人がウシュアイアからサンチャゴへと持ってきたらしい。

ラパス→カラファテ→ウシュアイア→サンチャゴと旅して再会したヘッセ短編集。

こういう本との再会は旅の途中で何度かあるのだけど、なかなか感慨深かった。

このヘッセが晩年に書いた短編集を手に取ったのも

ある友人が贈ってくれた旅人の話が印象に残っていたからなんだよね。

人も本も思いもお釈迦様の手の上を動いているんだなあ。







その後、キューバ現地から通貨情報が入りました。

現在、キューバン・ダラー(!)とキューバン・ペソの2種類の通貨が使われている。

ドルは20%の手数料、その他の通貨は8%〜11%の手数料で、

キューバン・ダラーへの交換が可能。

ユーロが8%と一番有利。

いずれにしても貧乏旅行者には厳しいなあ。







■aruさんへのレスポンスより


オラ!アミーゴ!

おかげさまで元気です。

「じゃあ、再来年にインドで!」

そう言って先日、ある旅人と別れたのだけど

来年くらいには辿り着けるかな。

今、エアチケットが思うように見つからず、

南米の次をどうするかも白紙の状態です。

旅の空で会えたら楽しいだろうな。

まあ、何処にいても同じ旅の空の下なのだが。

それでは、また、体調に気をつけて、空海と仲良く!

チャオ!チャオ!

アミーゴ!ゴー!ゴー!







■キホさんへのレスポンスより


「21世紀だってね。でもあんたが変わらないと、なんにも変わんないよ」

20世紀にはそんなコマーシャルもありましたね。

21世紀になりこの掲示板も世界各国からの書き込みが見られるようになりましたが

「北千住」同士というのが何とも良いですね。

「なんとかやってるじゃないか!」というのも良いなあ。

半世紀を越えて生きているキホさんの愛と重みを感じます。

今、それぞれが立っている此処が世界の中心です。

不思議だが本当だ。







2005年4月20日 サンチャゴより


サンチャゴから東へ約1300キロ。

22時間のバス移動。

次の目的地はなんと。

はあ。

またまたブエノスアイレスに行ってきます。

サンチャゴで航空券が思うように見つかりません。

チリは物価が高い。

例えばサンチャゴからイースター島を経由してオーストラリアに飛んだ場合。

全く同じエアチケット(しかもチリの航空会社)でも

アルゼンチンで買った場合より1000ドルも高かったりする。

もう一度アルゼンチンに戻り航空券を探します。

アフリカだってヨーロッパだって南極だってどこへだって行ける身であるはずなのに

やはり、何かに縛られてもいる。

お金は大事だよー

お釈迦様の手の上。

よーく考えましょう。

とりあえずたった4日間のチリでした。

運び屋のように国境を行ったり来たりしてきます。

それもまたよし。







2005年4月24日 ブエノスアイレスより


ドガの踊り子。

シャガールの青。

パウル・クレーの温度。

モジリアーニの視線のない女。

ロートレックのムーラン・ルージュ。

国立美術館へ行ってきました。

ゴッホのアルルとゴーギャンのタヒチが向かい合っていたのが印象的でした。

全て求めているのは光なのですね。

ブエノスアイレスにいます。

満月の朧月。

秋の月はなんでああも綺麗なんだろう。

しかし、秋の蚊はかゆい。

日本の昔の人は、哀れ蚊と呼んで、秋の蚊を殺さなかったそうですが。

うん、まじ、かゆいぞ。

すまん。

ぱちん!

航空券も買った。

黄熱病の注射も打った。

エビータの墓も参った。

チョリパンも食った。

変身も読んだ。

今夜、再度、サンチャゴに向かいます。







■やじまくんへのレスポンスより


仕事を辞めた話をすると勇気とか一大決心とか言ってもらえて

それは、ありがたいことなのだろうけど、自分の中ではちょっとした違和感がある。

旅については、当たり前とか、すでに決まっていたまではいかないけど

なんか、こう、もっと自然な流れのような感じなのだ。

「よし!」とか「えい!」とか、そんな小さな決断はある。

だけど、そういうのは日々の生活の中でも絶えず繰り返していること。

まあ、自然の流れというのが、言い訳にならないように旅をしたいよ。

南米ではカーニバルが終わり長期旅行者の帰国ラッシュ。

長く旅していると、体力だけでなく、好奇心も磨耗してくるのは事実だし

人と出会うことにも疲れてくるんだ。

長く旅することばかりが良いことではない。

反省なのか自虐なのか長期旅行者からそんな言葉が聞こえてくることもある。

確かにそうではある。

しかし、やはり長い旅でしか感じることの出来ない大切なこともあると思んだ。

俺はまだ旅を続ける。

とりあえずの航空券は確保したのだけど、いくつか引っかかってることがあり

サンチャゴでも代理店を廻ったり、もう少し動いてみる予定。







■プリマヴェラさんへのレスポンスより


「Primavera,Verano,Otono,Invieno...y otora vez Primavera」

(「春、夏、秋、冬、そして春」)

先日、サンチャゴで観た映画(韓国映画)のタイトルです。

日本を離れてから初めて映画を観ました。

ハングルの音声にスペイン語字幕。

暗闇の椅子に座り自分は完全なエトランゼであることをしみじみ思いました。

プリマヴェラ=春、ブーゲンビリア。

良い名前ですね。

トンボ返りしたブエノスアイレスでは綺麗な満月を見ました。

「満月は何て言うの?」とロベルト(ヴィクトリア・ホテルの住人、おっさん)に聞くと

「プリマヴェラだ」と返事が返ってきました。

ホントかなあ。

俺のスペイン語?が伝わらなかっただけかもしれません。

(確か空を指差し「ケ?フル・ルナ」と聞いた。うーん、ホントどうしようもないスペイン語だ)

「どこの国にいても月は同じものだから、いつでも月を見なさい。」

日本からブラジルへと娘を送り出したプリマヴェラさんのお母様の言葉。

俺も憶えていたいと思います。