旅の空からの伝言
2005年6月21日 シドニーより
「いらっしゃいませ!」
シドニーの吉野家は日本語で迎えてくれました。
牛丼大盛り(味噌汁付き)6.4オーストラリア・ドル。
BGMは「ガッツだぜ!」
紅しょうがをのせて七味をかけて割り箸をパチッ。
美味かった!
明日、シドニーを離れます。
いっきにオーストラリアのど真ん中へ。
アリススプリングスまで飛びます。
そしてエアーズ・ロック!
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■miyuさんへのレスポンスより
HOW WONDERFUL!
きっとmiyuさんのお母さんもそんなふうにmiyuさんのことを思っていたのでしょうね。
家族をいとおしく思う気持ち、
当たり前だった生活が、
私の欲しかった本質だったのかもしれない。
以前、お母様を亡くされた時、此処に書かかれた言葉を思い起こします。
ひとりの人間を育てることは、自分自身を育て、世界を育てることなのだと思います。
宝物と歩む旅。
なんて素敵なんだ!と思いますよ。
母が子を思う気持ちが平和の原点だと思っています。
どんなイデオロギーも母が子を思う気持ちの前では色褪せる。
今のmiyuさんがキラキラと輝いているのが此処からも感じられます。
肝っ玉かあさん突っ走って、世界を光で満たしましょう!
俺は俺の旅を続けます。
ありがとう!
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■かとうさんへのレスポンスより
サンチャゴではお世話になりました。
ラパスは大変だったみたいですね。
1ドル=360円時代からのベテラン・バックパッカー。
非常事態さえも楽しんで無事であったことと思います。
今頃プーノの辺りはかなり寒いのではないでしょうか。
クスコ楽しんで下さいね。
俺は朝の安食堂で出るアドボというスープが好きで毎日食べてました。
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■Masaくんへのレスポンスより
サンチャゴ→イースター→タヒチ→オークランド→シドニー→アリススプリングス。
飛行機でバンバン飛んでゆく旅は面白かったな。
コロンブスやキャプテン・クックの時代には有り得ない。
日付変更線も軽くひと跨ぎ。
現代ならではのスリリングなタイム感。
前に進み続ける快感。
陸路も空路も長いのも短かいのも速いのも緩いのもみんな同じひとつの旅。
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2005年6月27日 アリススプリングスより
世界の中心で何を叫ぶ。
エアーズロック、風の谷、キングス・キャニオン。
オーストラリアの中央部を廻ってきました。
星の下で眠りながらの三日間でした。
開放感にやみつきになりそうです。
屋根の下は快適で安心感もありつつ少し落ち着かない。
アリススプリングスに戻っています。
ひさしぶりの白い御飯。
おお、ポーグスがかかった。
明日の早朝にはダーウィンに向けて出発します。
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■まやさんへのレスポンスより
こちらにもまやさんの声が届きましたよ!
新しいお店も順調なようで何よりです。
まやさんが元気でアートラッシュを続けていることが素晴らしいです。
きっとまやさんが思っている以上にアートラッシュの作家達は
まやさんの存在が励みになっていると思います。
太陽ですよ。
展示を続けてもらえてるなんて嬉しいなあ。
またアートラッシュに遊びに行きます!
会える時を楽しみにしています!
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■剛くんへのレスポンスより
剛くんも旅を続けているんだなあ。
独特の空気の重さ。
まだ想像も出来ないけど俺もいつかエルサレムに立つのだろう。
実際に行ってみないと分らないことは多い。
また、そこに行くことによって感じらる一瞬で流れ込んでくる情報量の多さ。
理屈じゃなく自分が動いて感じることの大切さを思い知るよ。
これからも変化を恐れずに楽しみたいと思う。
また遊びに来てください。
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2005年7月1日 ダーウィンより
どこまでも続くまっすぐな道。
心のBGMはBORN TO BE WILD。
何も無い赤い大地をぶっ飛ばす。
ダーウィンまでやって来ました。
ずいぶんと温かくなりました。
食事がサンドイッチばかりだなあ。
キャンプや野宿が続いたので少し体を休めよう。
また次の旅の準備です。
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■あいかさんへのレスポンスより
朝方には0度近くまで下がったオーストラリア中央部から
30度を越えるダーウィンにやって来ました。
温泉かあ。
良いよね。草津。懐かしい。
大学の頃は、毎年、大晦日になると友達と出かけていった。
「やっぱトリはサブでしょう」
紅白をラジオで流しながら車で向かって、湯船で除夜の鐘を聞いた。
風呂上りの手拭いをぐるぐる回すとすぐに凍って棒のようになった。
息を白くしながら雪道を歩いて、神社でお参りをして、甘酒をもらって帰って来たな。
温泉入りたい!
今、一番旅したい国は日本です。
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■あいかさんへのレスポンスより
今いるダーウィン(オーストラリア北部)も第二次大戦時に日本軍から攻撃を受けた場所です。
日本に向かって今でも大砲が設置されているそうです。
世界各国からの若者が乗り合わせたツアーバスの中でガイドからそのような話がありました。
「命を犠牲にした方々に敬意と感謝の誠を捧げるために参拝する。
国のために亡くなった人をお参りしてなぜ悪い」
小泉首相が繰り返してきた主張は分らなくはないのですが、
そこには周辺国への思いやりと、グローバルな視点が欠けています。
侵略や攻撃、植民地化を受けた国の人々から批判を受けるのは当然。
そして犠牲になったのは、靖国神社に祀られている命だけではありません。
第二次世界大戦から60年。
暴力と不条理は未だこの世界からなくなっていません。
過去の過ちを認める。
人間という種の愚かさを認める。
受けた痛みは許し、本質を見つめ続ける強さに変える。
ネガティブな面にばかり焦点を当てる報道に振り回されないことも大切だと思います。
沖縄やイースター島の人々の笑顔が思い浮かびます。
これから南半球では少しづつ昼が長くなってゆきます。
地球上には等しく朝が訪れます。
仕事も旅行も楽しんで!
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2005年7月3日 ダーウィンより
すきとおった青い空 白い雲が流れてゆく
輝く祝福された日 聖なる夜
そして俺は思う なんて素晴らしい世界なんだ
空には虹が架かっている 道行く人の顔も輝いている
「調子はどうだい」って握手している
そう それは「アイラブユー」ってことなんだ
あかちゃんが泣いている
やがて彼らは多くのことを学び 私たちよりも賢明に生きてゆくだろう
そして俺は思う なんて素晴らしい世界なんだ.
そう 俺は願っている 素晴らしい世界を
「This song is present for you」
旅立つオグスト(イタリア人)に「what a wonderful world」を贈った。
奴はバックパックを下ろし、曲に合わせて口ずさんだ。
「もっともっと素晴らしい世界を見ようぜ」と笑顔(ちょっと涙目)で旅立った。
「オラ!アミーゴ!」
日本人の俺が話す片言の母国語に大喜びしてくれたシーモン(スペイン人)
映画「砂の女」(原作:阿部公房)と正岡子規、松尾芭蕉が好きなのだそうだ。
俺が夏目漱石の「明暗」を見せると「こころ」なら持ってるとのこと。
いただいた食材も日本風。
うどん(明星)、海苔、チンゲン菜、生姜、レタス、ニンジン、蜜柑。
ムーチョ・グラシアス!
俺の半分しか生きてないのに母のように世話を焼いてくれた肝っ玉ベッキー(イギリス人)
「ファッキン・グッド・モーニング!ファッキン・マーベラス・サンドイッチ!」
彼女のお陰で上品な英語を話せるようになった。
ワーキン・ホリデーorスチューデント・ヴィザでオーストラリアを彷徨う多くの若い日本人。
誰もが何かを求めて旅の途中だった。
30ドルで購入した寝袋(COLEMAN・−10℃対応・中古)が25ドルで売れました。
ベッキーが書いてくれた「売りたし」(英語)の紙を宿に貼ると2時間でソールド・アウト。
お礼にビールをおごり「ウイ・アー・ファッキン・グッド・チーム」と握手しました。
いよいよアジア!
熱いアジアに飛びます。
スラマッパギ!
ナシゴレン!
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2005年7月6日 ウブドより
私たちが生きることができるのは、過去でも未来でもなく、ただ今しかないのだ。
星野道夫 「旅をする木」より
初めての海外ひとり旅はバリでした。
その時、持って行った本が「旅をする木」
(この本は惚れた女を追いかけ東京から稚内へと向かう友人にあげてしまった)
今回、ダーウィンからバリへの飛行機で唯一の日本人に本の交換を申し出ると
その人が差し出したのが、この「旅をする木」でした。
今また「旅をする木」とバリを旅しています。
ウブドにいます。
此処は音楽・舞踊・絵画・彫刻などの芸術が生活に色濃く根付いている場所。
芸術へと昇華された宗教を中心に生活が動いているような場所。
以前訪れた時と比べると、随分と賑やかになりました。
道は舗装され、車は増え、田圃は観光客向けの店へと姿を変えていました。
のんびりと歩くことも出来ません。
路地裏の仏教寺院のような家からピカピカBMWが登場したのにはびっくり。
確かにガッカリする面もあるのですが、過去と比較して嘆いていても仕方ありません。
私たちが生きることができるのは、ただ今しかないのだ。
過去と未来を繋ぐ今という時間。
風景の背後にあるもの。
永遠の目と子供の目で見たいと思っています。
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■真実さんへのレスポンスより
オス!真実!
コウゴ&ナミジとシドニーで飲んでたのかあ。
その時、俺はウドンを作ってベッキーに御馳走していた。
ダーウィンでもらったウドン(明星)とオークランドでもらった出汁。
日本のウドンはベッキーの味覚とマインドに響いたみたい。
「オー!ファッキン・マーベラス・ヌードル!
明日は私が作る!美味いの作って、テツを驚かせる!」
翌日はスペシャル・ベッキー・サラダ&ステーキを御馳走になったよ。
せっかくのエアーズロックでカメラが壊れたのは災難だったね。
写真を喜んでもらえて良かった。
「どうお礼をしよう」と呟いた真実に何も答えられなかったのだけど、
そういうのは循環させれば良いと思っている。
旅は通り過ぎるばかりで、親切にしてもらった本人に恩返しが出来ない事が多い。
だからこそ、誰か困ってる人がいたら、出来る限り力になりたいと思う。
全ては繋がり巡り環になっている。
終わりが始まりで、旅は終わらない。
また会おう!
良い旅を!
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■コウゴ&ナミジさんへのレスポンスより
♪集まり散じて 人は変われど
♪仰ぐは 同じき 希望の光
書き込みを見て、母校の校歌を思い出した。
数日前には同じバンに乗って同じ方向に向かって同じ道を走っていた3人が、
今はアメリカ、オーストラリア、インドネシア。
人の出会いの偶然はすごいね。
素晴らしく、そして儚い。
こちらこそお世話になりました。
どうもありがとう!
出会えたこと、また会える未来、素晴らしいよ。
コウゴ&ナミジにまた会える日を楽しみにしています。
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■mikiさんへのレスポンスより
miki!
フライパンの話を持ち出すまでもなく良く憶えているよ。
短い時間だったけど、印象深く、良い時間だった。
「絶対に何かを掴んでから日本へ帰りたいんです」
mikiの静かだけど意志の強い言葉で気が付いたことがある。
オーストラリアでは20歳を少し過ぎたくらいの日本の若者と話すことが多かった。
彼らから「やりたいことがない」と言う意見を何度か聞いた。
ある時、俺は、その中のひとりに「それは甘いからだ」と言った。
そういう状況にあることよりも、それを簡単に言葉にすることが甘いと思ったのだ。
言った言葉に嘘はないのだけど、何かもっと別の言い方があったかもしれないと思っていた。
俺はmikiの言葉を聞いた時、「やりたいことがない」人も
何かを求めて旅をしているという点では同じだなあと思ったんだ。
俺はまだまだ捨てる物が多いようだし、もっと優しくなれる。
mikiは世界を見せられる人だよ。
これからもよろしく!
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■オスカルさんへのレスポンスより
サマサマ!
こちらこそトゥリマカシ!
イースター島へのルートはサンチャゴorタヒチから飛ぶしか方法はありません。
このラインはランチリの独占で週に2、3便。
フライトの曜日・本数は時期によって変わります。
物資を運ぶ軍の船がサンチャゴから年に一度(2月)出るらしく、
場合によってはそれに乗せてもらうのも可能なようです。
所要約1週間。
フライト時間はサンチャゴから4時間、タヒチへは6時間くらいだったような。
ONE WORLD(世界一周周遊券)にはランチリが含まれているので、
このチケットを使って旅する人には比較的イースター島は訪れ易い。
新婚旅行で行ったタヒチのついでにイースター島まで足を伸ばす人もいる。
貧乏旅行者はランチリのサイトでサンチャゴからの往復を購入しています。
大体400ドルから600ドル。
イースター島にはタヒチから移り住んできた人も多い。
タヒチのビール(HINANO)のステッカーを貼ってる車が多かったり
ガソリンスタンドでパシフィック・フラン(タヒチの通貨)で支払ってる人を見たりと
何かと繋がりがあるようです。
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2005年7月9日 チャンディダサより
寄せては返す波。
その回数は1分間に約18回。
人間の呼吸と同じなのだそうです。
チャンディダサに来ています。
バリ島の東側に位置する小さな漁村です。
部屋の外は海。
ひさしぶりに波の音を聞きながら寝ました。
昨晩は波音プラス渦巻く雨と風の音。
バリに着いてから5日間、毎日、(夕方or夜)雨が降ってます。
まるで雨季そのままの天気。
本来この地の雨季は10月から。
ここで俺は地球環境を嘆いたりはしない。
アイ・アム・ザ・ワールド。
悪い方向に向かっているのだとしたら、私たちの意識で変えることが出来ると思うのです。
俺の呼吸は地球の呼吸。
これからロンボク島へ渡ります。
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良い顔をありがとう!
良い時間をありがとう!
みんな何処で何をしているのだろう。
この旅で出会った旅人たちの写真をアップさせていただきました。
■「旅人・その2」:http://www1.u-netsurf.ne.jp/~silent/a-world-0235-01.htm
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