クタからウブドゥに向かう。
エアコンも付いてない、おんぼろのバンで向かう。
島の中心部に位置する、この村までは約30キロ。
芸術の村。神秘の村。静かな村。
ここに来たかったのだ。
バンは集落やビーチに寄って人を乗せたり降ろしたり。
ウブドゥはきっぱりした午後の光に溢れていた。
今日の宿を見つけるのが先決なのだが
この地にやって来たのが嬉しくて、バックパックを背負ったまま
地図も見ないで、どこにいるのかも分からないけど
とにかく歩き出した。
この風景の中に自分が存在しているのが嬉しい。
しばらく歩き回り、目についた、ゆったりしたカフェで休んだ。
バリのビール、ビンタンを飲みながら窓の外を眺める。
田園風景が広がる。
何ともいえない感情が沸き上がってくる。
懐かしいというか・・・
昔から知っている場所というか・・・
遺伝子が憶えている農耕民族としての記憶だろうか。
窓の外の切り取った一枚の絵画のような田園風景を
いつまでも見ていたいと思った。
