5月2日。

                    午前4時30分。


                    ガンジス河で待ち合わせをしていた。


                    昨日の夕方、立ち話をした日本人と

                    一緒にボートに乗る約束をしていたのだ。


                    うっすらと明るくなり始めた頃、彼は現れた。


                    近くでボートマンと料金の交渉をしていた

                    女の子も巻き込み、3人で乗ることにした。


                    料金の交渉もずいぶん慣れてきた。

                    ボートマンの提案してきた

                    十分の一の金額で交渉が成立した。


                    ボートに乗っていると、吹いてくる風が特に心地良い。

                    やさしい風に包まれる。


                    ガートを見ながら河を下る。

                    地平線にあった薄雲から太陽が姿を現した。


                    ボートは向きを変え、ガンジス河の対岸へと進んだ。