5月3日。

            インドを発つ。


            機内のモニターで上映されている

            日本のニュースを見ていると

            すでにインドでの出来事が幻のように感じられる。


            腹痛、下痢、頭痛は、今だ続いている。

            着ているシャツからは

            あの、いまいましいインドの匂いがする。



            インドでは普段は忘れていたり

            目を反らしてたりしている事実を突きつけられた。


            貧しさ、差別、ずるさ、そして死。


            それらは、自分自身の内側にも存在している。


            インドでは、それらが、ある種のバランスを持って

            あからさまに存在していた。

            あからさまに、鮮やかに、混在していた。
 

            例えば生と死。

            光と影。美しさと醜さ。喜びと悲しみ。


            あらゆる事象が本来持っている、あるがままの姿だ。



            インドを旅することは、自分自身を旅することだ。

            インドを見つめながら、自分自身を見つめていた。


            人生観は変わったのだろうか。


            インドに行って見て感じた自分自身として

            これから少しずつ変化してゆくだろう。