おだやかな空気。
鮮やかな色彩。
吹き抜ける南風。
三線の音。
在るものがそのまま存在する場所。
元気で可愛い、恋するおじい、おばあ。
映画「ナビィの恋」を見て、粟国島に魅せられた。
粟国島は「ナビィの恋」の舞台となった、小さな南の島。
粟国島は沖縄本島の北西60キロに位置する小さな島。
那覇から一日一便の船に乗り、約二時間で行くことが出来る。
きれいだねえ。
うん、最近は子供に話しかけるように、花にも話しかけてるんだ。
だから、きれいに咲くんだよ。
うん、で、今度はいつまでいるね。
わからんなあ。
ここは奈々子の生まれた家だから、好きなようにいればいいよ。
ナビィと恵達が住む家。映画では、たくさんのブーゲンビリアに囲まれていた。
集落の外れにあり、少し前まで、実際に人が住んでいたが
その方が亡くなって現在は誰も住んでいない。
これを撮影した日は、お盆だった為、親族の方がいらしていた。(2001.9.2)
普段は、ひっそりとしている。
今宵は月の美しい十三夜
木も草も花も恋をします
私達が恋をして何が悪いのでしょうか
「ナビィの恋」では、沖縄民謡を中心にオペラ、ケルト民謡、歌謡曲などが
登場人物の心の揺れを絶妙に表し、映像に彩りを添えている。
楽しいから、歌い踊る。
悲しくても、歌い踊る。
喜びは、音楽によって、更に大きなエネルギーに昇華して
悲しみは、音楽によって洗い流して、明日もまた生きていく。
沖縄独自の逞しく奥の深い風土と文化を感じることが出来る。
レイコとアイルランドからやってきたオコーナーさんの「大濱商店」
片隅が「おこるな の コーヒーショップ」になっている。
島の人々で、いつも賑わっていて、オペラ、ケルト民謡が演奏される印象的なシーンに登場する。
実際は「大濱倶楽部」という公民館として使われている。
ナビィは島を離れたサンラーのことが忘れられず、彼のお墓を守り続ける。
沖縄は、あの世とこの世の距離が近い。
先祖を敬う祭祀事も多く、墓地は、その土地で一番良い場所に作られる。
粟国島では、海が見渡せる場所に、凝灰岩をくり抜いて作られている。
島に住む人々の手足は、陽に焼けて、がっしりと太い。
島では人々も動物も、そのままの存在として、そこで生きている。
ありのままのの営みがとても気持ち良く在る。
生活感や生命力が、あからさまに存在している。
恵達は腰痛に悩むナビィの為に
可愛がっていたセイコ(牛)を手放してマッサージ機をプレゼントした。
粟国島ではいたる所で、牛や山羊に出会う。
その頻度は、集落以外の場所では、人間よりも多いのではないか。
新北風(ミーニシ)が止んで
海が穏やかになったら
私は西の浜に参ります。
私を連れて何処へでも、お逃げ下さい。
新北風(ミーニシ)が止んだら、私は必ず参ります。
ナビィとサンラーが船に乗り島を出た入り江。
ここからアイシテルランドへ向かって漕ぎ出した。
粟国島には、お坊さんが海の上を歩いて来て、洞寺を作ったという言い伝えがある。
その、お坊さんが上陸したのが、この場所だと言われている。
島の北東にある小さな入江。
奥山住まいの うぐいすが
梅の小枝で 昼寝して
花が散るよな 夢を見て
ほけきょ ほけきょと 泣きました