年齢なんて毎年変わる。

    いちいち自分の歳なんて覚えてられない。

    そんなふうに、がむしゃらに生きていた頃。


    夜、目が覚めた。

    覚醒というか妙にクリアな感覚でまったく眠たくもなく

    不思議な目覚めだった。

    「人生、ちょうど半分まできたな」

    その時、どこからかそんな自分の声が聞こえた。


    そして、また、眠りに落ちた。


    あとあと考えてみると、その時にちょうど25歳になっていた。

    だから自分の人生は50年だと思っている。

    でもほんとは宇野千代さんと同じ92歳までは生きたい。

                          2000年9月15日