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涙が止まらなかった。感動した。
たくさんのそんな感想が自然と聞こえてきた話題作。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
周囲に遅れたタイミングで観に出かけた最大の関心は
自分自身にどんな感情がわき上がって来るのか。
そんなことだった。
不思議だった。解らなかった。
この映画に感動で涙する人の気持ちが。
不思議だった。解らなかった。
この映画にたくさんの人が集まることが。
リアルな演技。無垢な歌声。純粋すぎる魂。
ビョークという才能。
それに対する賞賛の声はよく解る。
ミュージカル・シーンもよく出来ていた。
(流れから浮いていて妙にしらじらしく感じたが)
しかし、ストーリーは辛く残酷で救いのないものだ。
わざわざ、お金と時間を費やして、そんなものを観たくはない。
辛く厳しいことなんて、現実だけでたくさんだ。
実際に起こった事には、正面から向き合おう。
映画はエンターテインメントなのだ。
楽しませて欲しい。美しいものを見せて欲しい。
どうして人は好んでこんな辛い話を観に来るのだろう。
自分より不幸な者を見て自分の幸せを確かめるのか。
かわいそうな者を見てかわいそうと涙する自分に安心するのか。
普段は涙もろいはずなのに、涙はまったくでなかった。
周りですすり泣く音への不思議さと
「こころの声を聞くのよ」というセリフだけが残った。
2001年2月18日 |