チャン・イーモウ監督の「初恋のきた道」を観た。                   


季節の移り変わり。丘の一本道。麦畑のひかり。

できたての餃子の湯気。新しく張られた障子。

直された茶碗。子供達の朗読の声。

老女の皺。雪の中の葬列。

親が子を愛する気持ち。子が親を愛する気持ち。

まっすぐな恋心。


すべてがクライマックスで、すべてが美しかった。


美しいものに触れると、自分も少しだけそこに近づいた気になる。               

自分も美しくなりたいと思う。


                       2000年10月19日