「いつ咲くかは桜に聞いてくれ。

            俺は知らん、ちゅうねん。

            ただ一つ言えるのは

            桜は満月の日に向かって咲いていきよるということ。」



            「桜の花は全部下を向いて咲くのや。

            木の下へ入り込んで見てこそほんまのよさがわかるし

            桜も喜びよる。

            宴会するならゴザかムシロを敷くんやで。

            ビニールやと、人間の尻は濡れへんけど

            桜の根は息できひんやろ? 

            酔っ払って酒を適当にまくのはよろし。」



            「最後に『おおきにありがとさん』と言うて帰ってほしいな。」



                            16代 佐野藤右衛門(桜守)





            春と冬の間の季節。

            毎年、会いに行く桜がある。

            東京のド真ん中、
2月末に花を咲かせる。



            今年も、また、会えたね。

            おおきにありがとさん!

            また、来年!


                              2002年2月24日