「ロンリープラネット」


           英語で書かれたバック・パッカー向けのガイド・ブックのタイトルだ。

           旅先での気分をよく現しているタイトルだと思う。

           旅先では、ひとりの寂しさが身にしみる。

           だからこそ、ひとの優しさや暖かさがありがたい。



           私たちは寂しがりやの惑星の住人だ。

           寂しいからつながりを求める。

           寂しいから思いやることを大切にする。



           「かねこさんは寂しくないの?」

           「わたしは寂しいよ」


           あの頃、自分自身の事が精一杯で

           大切な人の寂しさを受け止めることが出来なかった。


           「寂しいなんて言ってるようじゃだめだ」


           気持ちを素直に伝えられる強さに気づけなかった。

           自分自身の寂しさに向かい合うことが出来なかった。

           自分自身の寂しさから目を反らしていた。



           私たちは寂しがりやの惑星の住人なのだ。

           彼女は今も、寂しがりやの惑星で暮らしているのだろうか。

           彼女は今も、寂しがりやの惑星で元気にしているのだろうか。





                                       2001年3月1日