5月7日。

午前中で仕事を切り上げて、病院に向かった。


状況は変わらない。

どう見ても危ない境界線上にいる。


酸素マスクで呼吸が補われる。

次々と点滴で薬が投与される。


心拍数が測られる。

血圧が体温が測られる。


痙攣が続く。

苦しみに、顔が夜叉のように歪む。

代わってあげられたら・・・


「このまま痙攣が続くと脳死の可能性が高いです。

注射を打った方が良いと思うのですが

強い注射ですので心臓が止まる可能性もあります。

打って良いですか」

一人で看ている時に言われた。


気丈な母が病室で泣き崩れた。

父が心臓を押さえてうずくまった。


孫としての弱い存在のままでは、もう、いられない。


「大丈夫だよ。頑張って」

「すぐ痛くなくなるから」

「おばあちゃん・・・」


少しでも楽になるように、手を握る。

時々握り返してくる感覚にすがるように病室にいる。