「かねこさんはカメラを道具にして

  風景とコミュニケーションしてるんだね」


 個展会場で写真を観てくれた友人の感想だ。

 座布団10枚!


 カメラのメカニズムとしての写真が好きな人。

 写すという行為としての写真が好きな人。

 技術の向上としての写真が好きな人。

 自己表現としての写真が好きな人。


 自分は写真も好きだが

 それ以上に写真を撮りたくなるような瞬間が好きなのだ。

 そんな瞬間にたくさん出会いたいのだ。

 写真を撮りたくなるような自分の状態が好きなのだ。


 使うカメラにはこだわらない。

 こんな写真を撮りたいと思い描くこともない。

 写真を撮るためだけに出かけることもない。

 自分が日々を楽しんだ延長として写真が残る。


 キューバから帰ってフィルムを現像すると

 人物を撮った写真があまりに多いのに驚いた。

 今まで人物はそれほど撮っていなかったのだ。

 その場所に暮らす人々が、とても魅力的に感じたのだろう。


 キューバでは1000人ちかくの人と言葉を交わした。

 かなりの人と握手をした。

 カメラはコミュニケーションの道具として役立った。

 

         
                         2001年2月20日