季節は八百屋の店先から変わる
季節はコンビニの店頭から変わる
時流に乗れない俺は
たゆとう河の上で冬の訪れを知る
空に吐いたはずの息が
足下に溜まってゆく
コンクリートの隙間に
白い花が咲いている
寄り添っても離れる心
数億年の彼方で振るえ合う魂
目を閉じれば、今でも、陽炎が揺れている
夕焼けにタンポポの綿帽子が飛んでいる
街路樹は命の営みを緩やかにして
俺の太陽は、ますます、凶暴になってゆく
白い光に包まれて
闇は、ますます、深くなってゆく
冷たい水の中を
震えながら登ってゆけ
ラジオから流れる
戦う自分も、戦わない自分も
抱きしめて、笑い飛ばして
流れてゆく
登ってゆく
巡ってゆく
白い光に包まれて