joeogawa 「Gills Briaud氏のための人物(習作),1999」



ジョーには、いつも世話になっている。

今回の個展のDMも、所蔵品展のDMも、ジョーにデザインしてもらった。

前回の個展のDMも、今年の年賀状も、去年の年賀状も、ジョーにデザインしてもらった。

Thank You So Much, Mr. OGAWA!


「ジョー、今度さあ、金子鉄朗 所蔵品展つうのやるんだ」

「いいね。いいね」

「で、さあ。ジョーの絵も出したいんだよね」

「いいね。いいね」

「所蔵品展だからさあ、俺が持ってる絵じゃないと、看板に偽りありじゃん」

「うん。うん。」

「だから、ジョーの絵、ちょうだい」

「いいよ。いいよ。テツの好きなのあげるよ」

「マジ・・・」

絵まで貰ってしまった。

Yeah!Thank You!Thank You!Thank You!



始めてジョーに会ったのは、お好み焼き大会を金子宅でやった時だ。

色の入った銀縁のメガネをかけて、髪は後ろで縛ったオールバック。

スーツを着て、スラッと背が高く、シャープな印象だった。

10歳年上の自分を「テツ」と呼び捨てにした。


その頃、彼は若き天才と言われていた。

作品を見て納得した。

切れるような線を重ねた、ストイックな線画。

迫ってくる。

たくさんの犠牲を払わないと、描けない領域の絵だ。


ジョーは、ここ2年程、全く絵を描いていない。

それが、彼の中で自然なのだろう。

今は、多忙なデザイナーの仕事を楽しんでやっている。


あまりに忙しく、飲みに行く時間も無いのだが、彼とはずっと友達でいるだろう。


じじいになっても、一緒に縁側で、お茶をすすってるだろう。

その頃、また、ジョーの描く絵を見てみたい。