ホイアンの町が夕闇に包まれる。

          ポツンポツンと明かりが灯り始める。

          淡い光が闇の深さを強調する。



          闇の中に人々の気配が浮かび上がってくる。

          眠りに就くまでの時間を、ぶらぶら過ごす人々。

          大人も子供も、おもいおもいに通りで過ごす。

          急ぐこともなく目的の無い時間が、創り出す豊かさ。



          町がキラキラと生々しく息づく。

          昼間の生暖かい空気が、控えめにたたずむんでいる。



          どこからか太鼓の音が聞こえてくる。

          一瞬、自分が何処にいるのか分からなくなる。

          子供の頃の祭りの夜に

          タイムスリップしたような錯覚を覚える。



          赤いちょうちんの灯りが、川面に揺れる。

          ホイアンの夜は幻想的にふけてゆく。