長屋のような家が並ぶ通りを歩いている。

着物を着た若い女性が、あわてた様子で家から出てくる。

「これを持って行って渡して下さい」

3メートル程の硬い針金を渡される。

何処へとも、誰にとも、伝えられずに渡される。



針金を担いで、通りをそのまま歩いてゆく。

鼻の頭に油が浮き出た、恐ろしく太った男が現れる。

針金を彼に渡すと、今度は小さなコントローラーを渡される。

コントローラーを使い、小さな車を走らせる。

作られたコース上を猛スピードで、小さな車が走りだす。

目で追うのも難しいくらいの、すごいスピードだ。

やがて、たくさんの車が、追いかけてくる。

捕まってしまうと、全てが終わる。



高速道路にさしかかり、一端停止する。

高速料金600円を払う。

「ここから先が本当の敵討ちです。気を付けてください」

料金所の男に言われる。

今まで以上のスピードを出すことが出来るのだろうかと思っている。