「おはよう おはよう」


九官鳥が鳴く。


「おはよう おはよう」


書くべき物語のプロットが思い出せない。


グレーのカーテンを風が揺らす。


何かがやってくるような気がする。


腰掛けていたベッドから立ち上がる。


ターンテーブルに針を落とす。


同時に雨が降り出す。


レコードを止める。


目を閉じる。


雨音を聞く。


暗闇に青い閃光が広がってゆく。


落ちながら待っている。


何処からかやってくるものを待っている。