『超人ロック』購入ガイド

0 はじめに

 『超人ロック』は既に生誕30周年を迎えている。その作品は膨大であり、かつ同一のエピソードが複数の出版社から発刊されている。そのため、どれを買うのがよいか、またどれから買い始めるのかはしばしば問題となる。決定的な案は存在しない。まずお断りするが、以下は現実的で可能な選択肢の提案にすぎない。最終的な判断は読者諸氏が決めることだ。

 このささやかなガイドが『超人ロック』購入の際の手引きになることを願っている。本稿の作成に当たっては例によって超人ロックMLとWWWの各ページの情報を活用した。なお、文中の略号は「単行本の変遷」に使われているものと同じである。

1 旧作

 『超人ロック』の大部分を占めるのは少年画報社時代に連載された分である。ここではそれを仮に旧作と称する。ここで問題にしているのは執筆時期であり、掲載誌ではない。具体的に言えば「炎の虎」から「歌姫」までである。旧作は今述べたとおり『超人ロック』の中核をなしている。またその内容を理解するに当たって、それ以前の作品についての知識はさほど要求されない。少なくとも「炎の虎」は新規の読者にも違和感なく読めるように配慮されている。従って、旧作から揃えるのはまず無難だ。

 最大の問題は、旧作にはほぼ二つの版が存在することである。すなわちオリジナルであるHC版と、それに加筆を加えた版である。後者はさらにSC版とBB版が存在する(この二つは基本的に同じだが、一部違っているという話もある)。加筆版はオリジナル版に比べて(加筆している分)話がわかりやすいこともある。その一方で、(ラスト付近の加筆が多いため)そのエピソードに対するイメージがオリジナル版を読んだときと、がらりと違ってしまうこともある。例えば「シャトレーズ」、「プリンス・オブ・ファントム」など。また執筆年代の古いエピソードに対してなされた加筆は、絵柄が当時のものとずれていて、ひょっとしたら不自然に感じるかもしれない。どちらを選ぶかは『超人ロック』を揃える上での最大の決断だが、よりよい選択というものは存在しない。予算が許せばどちらも揃えたいものである(無理にとは言わないが)。
 ただしHCは後ろの巻になればなるほど、版を重ねないうちに絶版となってしまい、それらには滅多にお目にかかれない(個人的な感覚では第24巻以後から希少になり、30巻台となると運頼り)。どうしても手に入れようとするとセットで入手するハメになるかも知れない。しかもHCでのみ読める作品――現在では「バーミリオン・デザート」のみだが――は、後ろの方(第27巻)に収録されている。

 困ったことに、三者どれを選んでも、一者だけでは旧作全てを揃えることはできないという別の問題がある。どうしても別のシリーズの一部分だけを併せて買わなくてはならない。また一部の作品はSGのみに収録されている。詳細は[表1]を参照。

 最後にそれぞれの長所・短所について[表2]にまとめておく。

表1
エピソードHCSCBBSGMC
「REPLAY」
「バーミリオン・デザート」
「妖精の森」
「愛しのグィネヴィア」
「DREAM MASTER」
「歌姫」
残り オリジナル加筆加筆

表2
長所(特徴)短所
HC オリジナル版。
カバー表紙と本体の表紙のイラストが別。
若かりし日の作者の後尊影を拝める。
(ほぼ)執筆順。
絶版。
セコハンが嫌な人には選択肢にならない。
SC 愛蔵版サイズ。
SGのダイジェスト・ストーリーが収められている。
作品内時間順。
表紙が手抜き。
年表が古い。
そろそろ手に入りにくくなりつつある(?)。
BB 旧作以外の作品や『超人ロック』以外の作品も収められている。
SGのダイジェスト・ストーリーが収められている。
解説・後書がある。
作品内時間順。
サイズが小さい。
他のシリーズと(中途半端に)ダブるエピソードが多い。
サイズの都合上、エピソードが無理矢理2冊に分けられていることがある。

2 新作

 『超人ロック』の作品のうち、ほぼ90年代に入ってから書かれたものは、旧作とやや趣を異にする。それらをここでは便宜的に新作と称する。エピソードで言えば「聖者の涙」以後の作品である。量は、数え方によるが、現在単行本20巻ほどである。最近『超人ロック』を知った方々(このガイドを必要とされる主な人たち)には絵柄に違和感がないので、新作から買い揃えたくなるかもしれない。ただ『超人ロック』はそれぞれのエピソードがつながりあっている。新作はそれまでの作品を下敷きにしているわけだから、いきなり読んでも何がなんだかわからない恐れはある。新作を揃える際の選択肢は[表3]の通り。1でBBを選んだ人は、新作についてもそのままBBを揃え、残りのエピソードはMCを買えばすむので、迷う必要はない。

 それぞれの長所・短所は[表4]の通り。

表3
エピソードBCSDMCBB
「聖者の涙」
「ブレイン・シュリンカー」
「不死者たち」
残り

表4
長所(特徴)短所
BC, SDサイズが大きい。
カラー口絵がある。
入手しにくい(絶版)。
BB[表1]と同じ。

3 初代作品

 主に作画グループの同人誌に掲載された『超人ロック』最初期の作品を初代作品と呼ぶことにする。具体的には「ニンバスと負の世界」から「新世界戦隊」までになる。あくまで執筆順に読みたいという方はこれらから集め始めることになる。しかしさすがに1960-70年代に書かれただけあって、現在のそれと、絵柄のギャップが非常に激しいので、その点は覚悟がいる。どちらかと言えば、旧作・新作を集め終えた後に買うのが常套だろう。また初代作品のうちいくつかのエピソードは、現在宇宙歴年表からは外されていて、リメイクが目下執筆中だ。是非とも読むとすれば「コズミック・ゲーム」、「新世界戦隊」の二つだ。詳細は他サイトを参照のこと。

 初代作品ではほぼ迷うことなくSGを集めればよい。ただし「コズミック・ゲーム」だけはBBに収められている。というのはこのエピソードこそ、現在の『超人ロック』の世界観に直接つながる初めての作品だからかもしれない。従って選択肢は[表5]のようになる。なおSCやBBには一部の初代作品のダイジェストが収められている。これについても他サイトを参照のこと。

表5
エピソードSGBB
「コズミック・ゲーム」
残り

4 OVA付録

 OVA「ロード・レオン」、「新世界戦隊」には予約特典として描き下ろしの漫画がついてきている。これらはOVAの世界観にあわせて描かれた、パラレル・ストーリーだ。つまり『超人ロック』を楽しむ上で不可欠というわけではない。ただ、BBで集める場合には、他の作品と併録されているため、あまり考えなくてよい。またBBを使わずに集めている人でも、他には『超人ロックの謎』にのみ収録されているので、こういう関連書籍に興味がある場合には買ってみるのもいいだろう。

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