わたしのギター修業三昧







                           





                             =第二回目=




 ギターを買ってからほとんどほったらかしにはしていたけれど、

「はじめてのギター」なる教本を買い、弦の押さえ方とか構え方とか、

それなりに教本を見てなんとなく弾いていたのである。

楽譜だって読めるし〜、最近はやってないけど、

学生の頃さんざん音楽やってたし〜、習わなくてもなんとかなるかも〜、

などと安易に考えていたのだ。


 生徒さんのレッスンが終わり、先生が招き入れてくれた。

ご挨拶、どうしてクラシックギターなのか、なぜここの教室を知ったのか、

等々、質問を受け、では少し弾いてみよう!となった。

がしかし、スカートをはいていた私はクラシックギターを弾くときのあの構え、

左足を台にのせて、というやつがすでにできなかったのであった。

「スカートまずいじゃん。足ひらかないじゃん、

先生、電話したときにズボンで来いとかって言ってよ〜」と、

心のなかで思ったが、

そんなことはクラシックギターを弾くひとの当たり前なのだ。

そこからして習う気があるのかなぁと自問してしまうくらい、

当初の「弾くぞ!」という意気込みがしぼんでいくのがさびしかった。

 そんなやる気があるのかないのか謎な私に先生は、

「今すぐ始めなさい。始めた方がいい。ギターせっかく買ったのに!!」 という目をして、

「どうする?」といけずなことを聞いてきた。

私はしばし悩みながらも、ここでだったら続けられるなぁ〜と、

あまり根拠はなかったが、

そういう気がしたので、通いますっ!と返事をした。


 次の週からレッスンが始まった。

なつかしい月謝袋にお金を入れて「先生、よろしくお願いしま〜す」と渡した。

月謝袋の自分の名前が妙にうれしく、

習い事を始めたことにウキウキしていた。

ちゃんとズボンをはいていった。

(はい〜本日は、ここまで。お風呂はいってきます。)


 




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