わたしのギター修業三昧







                           





                             =第三回目=






 テレビや街角やコンサートなどでギターを弾いている人をみる。

あんな風に弾けるようになれたら楽しいだろうな、

まま、そこまでは無理としても、

せめてお友達と一緒に足を引っ張らないくらいに、

弾けるようになれたらいいなぁと思っていた。

レッスン初日はそんなウキウキ感がもろくも崩れさっていった。

なんだか「こりゃまずいな。続けられるかな。」

と、ギターを勢いで買ってしまったことをちょっぴり後悔してしまった。

 左手で弦を押さえられない。

左手の甲を相手に見せるくらいねじるのだが、

やったことのない姿勢はなかなかできない。

しかも指の番号がピアノと違っていて、

しまいにはパニックになりそうになる。

こんがらがり具合があれに似ている。

両腕を交差させて手を組んで、

ひっくり返して「この指うごかして〜」と言われた指を動かすやつ。


 感覚が鈍くなっていて、

うっかり指されたのとは違う指を動かしそうになる

(あるいは、動かしてしまう)。

 パニクる私をよそに、先生は「はい、ココ!」と薬指をつまんで持っていって、

「はい、つぎはココ!」と人差し指をつまんで持っていく。

正直、ほんとうに頭のなかでクエッションマークがひとつずつ現れた。

弦を押さえたところで「?」、右手で弾いて「??」、

出てきた音を聞いて「???」。

2〜3小節やっとこさ弾いて(弾いてというか弾かされて)レッスン終了。

先生は笑顔で「また来週ね〜」と言ってくれた。

でもわたしは心の中では、

「たーすーけーてー。ひーけーなーいーよーぉぉ」と泣いていた。





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