「`04/11/27(土)アルペジオコンサートに出演して・・・・」





                =<二重奏随想記−その二回目>=







 三重奏の場合は一人が止まっても曲が止まることはありません。

二人が弾いていれば曲はまだ生きており、

止まった人は後から参入できます。

しかし二重奏は片方だけでは曲が成立しません。

ですから伴奏を担当する方はできるだけはやる気持ちを抑え、

必死でテンポの維持に努めなければいけないのです。

もうひとつの難しさはソロと違って楽譜を見ながら演奏するということです。

端から見ると楽譜があるほうが安心感があって楽そうにみえるでしょう。

そこに落とし穴があるのです。

楽譜を見ていれば何とか弾けるという意識から、

暗譜をしなくて済むという安易さを生んでしまうのです。

これはちょっと危険です。

だいたいギターの弦を見ないで楽譜だけ見て弾くなどということは、

余程のベテランです。どこかで弦をみるはずです。

そうすると次に楽譜に目を戻してもどこを弾いているかがわからなくなるのです。

過去には(いや最近も)こんなことがよくありました。

だから最近は楽譜があるということで安心せず、

極力暗譜して望むように心がけています。

もっともソロ演奏でよくわかることですが暗譜するというのは最低限のことであって、

それでもこける時はこけるわけです。

未熟なくせに暗譜もしないで人前で演奏するなどということは、

聴衆に対して大変に失礼なことだと思うようになりました。

プロならば許されるかもしれませんが......。

もし暗譜していないで楽譜に頼って演奏するならば、

もう楽譜から決して目を離さないことです。

当然、左手はおろそかになり違う弦やフレットを弾くことになりますが、

それでもどこを弾いているかわからないという事態は回避できます。

これにより曲の停止だけは防止できるのです。

あとは自分と息の合う、

できれば同じくらいのレベルの方とコンビを組む方が無難かもしれません。

あまりレベルが違いすぎるとテンポ感やテクニックに差があり、

なかなか合わせにくいということになります。

かなりの上級者と組んでこちらに合わせてくれないとこれは結構つらいです。

ちょっと意味合いは違いますが、

よく野村先生がフルートやバイオリン、チェロなどとアンサンブルをやっていますが、

あちらは音の切れ目がなくどんどん進んでいくため、

ギターは必死で着いていく(?)しかないのです。

しかもかなりの音量を出さないと埋没してしまいます。

だから個人的には他の楽器との演奏を聞くのはあまり好きではありません。

ギターの音色を純粋に聞きたいという素朴な欲求に対し、

埋没したギターの音色では不満が残ってしまうのです。

皆さんは違うかもしれませんが....。ちょっと横道にそれましたが、

二重奏においても同じようなことが起こりうるのです。

もっとも自分のスキルアップを考えるととても勉強になるとは思いますが。

最後にこれまで二重奏をしてきた中で一番感じのよかった曲を書いて終わりたいと思います。

それは
F.カルリの「ロンド」です。

これは二重奏らしいテンポ感の良い曲で、弾く側も非常に心地よいものでした。

6,7年前に弾いたのでかなり遅かったと思いますが、

機会があればまたチャレンジしてみたいと思います。

皆さんも是非!、

二重奏に挑戦していただき発表会以外の場でもどんどん演奏されたらいかがでしょうか。

ソロとは違って演奏するほうも聴くほうもとても盛り上がると思いますよ。

以上、二重奏随想記でした。





                  メニューへ






                   topへ