〜アンサンブル参加(1)〜


 初参加は野村ギター教室に入って3年目でした。

きっかけは平成8年の暮れも押し迫った頃、野村先生から「今度、合奏やってみない?」

と誘われたことでした。

「私でだいじょうぶですか?」との質問に、

「大丈夫だよ。勉強になるし初心者も大勢やってるから。」と野村先生。

ちょっと不安はありましたが、何事もチャレンジということで

「じゃあやります。」と承諾。

当時は、以前から教室にそのような合奏チームがあることは知っていましたが、

自分がメンバーになるなど考えもしませんでした。

それでも「アンサンブル・ヴェルデ」という名の響きに漠然と憧れはあったように思います。

ちなみに由来は、青葉区の前の行政区が緑区であり、

そこからスペイン語のヴェルデになったとのことです。

それを言うと、「5へー」くらいでしょうか?


 後日、先生より楽譜を渡され、曲名を見ると「ハンガリアン舞曲第11番」。

その頃、私はまだ初心者向け教則本「楽しいギター」の練習をしており、

ようやく「バラが咲いた」が弾ける程度。

「とてもそんな高尚な曲は無理」というのが実感でした。

それでも毎週のレッスンで手ほどきを受け、ちょっとづつ音符をたどっていきました。

年が明けていよいよ合同練習がスタート。

場所はあざみ野ホールの一室。

テーブルを後ろに片付け、椅子を8脚ほど並べて練習の準備をします。

最初は先生がタクトで譜面台の脚をたたきながらリズムをとり、

「いっとーにーとーさんとー・・・・」と一つずつ弦を鳴らしていきます。

まるで小学校の音楽授業のよう。

それでも慣れない者にとっては大変です。汗をかきかき、2時間。

あっという間でした。

最後は「おー疲れた。尻が痛い。」

そんな感じで初めての合同練習が終わったのです。


それから約3ヶ月、春に行われる神奈川ギターフェスティバルに参加するため、

都合8回ほどの合同練習をしました。

3、4、5回と回を重ねるごとにテンポもあがり、

こんな曲だったのかというのが徐々にわかってきました。

なにしろ初めて聞く曲であり、パートもセカンドということで、

メロディーなど皆目わからんという状況だったのです。

あるとき、先生からオーケストラの演奏を録音したテープを渡され家で聞いたところ、

その速さにびっくり!「何じゃコリャー!」

「こんなのを弾こうとしてたの?」

テープにあわせて弾いてみましたがとても合わせられるものではありませんでした。

その後の合同練習の時、誰かがその速さを野村先生に聞いたところ

「そりゃそうだよ。あんな風に弾けるわけないんだから気にしなくて大丈夫。

メロディを確認するために聞いてもらったんだから。」

との返答に、皆んな気を取り直して練習に取り掛かりました。

それでも部分的には相当早いところがあり、

ファーストを担当していた青木さんは当初から

「無理。弾けない。」を連発していました。

その都度先生から、

「そんなこと行ってる場合じゃないですよ。やるしかないんですから。」

とたしなめられ、かけあい漫才をやっているような雰囲気の中で練習を続けていきました。


 いよいよ本番当日。

会場は保土ヶ谷区の二俣川駅前にあるサンバード。

会場に着くとギターを抱えた老若男女が大勢集まっており、

気の小さい私はそれを見ただけでビビッてしまうほどでした。

なにしろ舞台にあがって何かをするというのは高校の文化祭で合唱して以来ですから。

我々のリハーサルが始まるまでは客席に座り、出演者の本番演奏を聞きます。

ソロあり、重奏あり、合奏ありでみんな上手く聞こえ、

あそこで弾くのかと思うと緊張が一気に高まりました。

リハーサルを終えいよいよ本番。


 舞台のそでにいるときは生きた心地がしませんでした。

司会の紹介とともに進行係りから促され舞台に進むと観客は20〜30人程度。

かなり少ないので多少落ち着きました。

挨拶をして演奏がスタート。

「タッ、ラララーーー、タッ、ラララーーー」で始まるメロディーに合わせて、

私の指もカチカチ動き始めました。

あらら、弾く弦が違う、指が震える、空回りする・・・・・・・。

あとはご想像にお任せします。

その日はたらふくビールを飲んだように思います。


 以来、7年。秋に行われる合奏フェスティバルを合わせ、

これまで出演も14回を数えました。
 
今回はフェスティバル初参加の時の話をしましたが、

次回は最近のことについて紹介したいと思います。


 最後に、合奏チームに参加するメリットを書いて終わります。

思いつくままにあげると、

・普通なら知り合うことも無い人たちと仲間作りができる。

・舞台(大きいところでは1500くらい収容できる)に立って自己表現ができる。

・少なからずソロギターのスキル向上に役立つ。

・古典音楽を身をもって味わうことができる。

・楽譜の読み方が上達する。

・ソロギターでは味わえないハーモニーを体験できる。

などなど・・・・・・。


 いかがでしょうか?

あなたも体験してみませんか?

きっとなにか新しいものを自分の中に発見できますよ!



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