満月の夜、事故る! ホンダCBR1100XX




1999.11.22


 その日は仕事の後、多摩市に住む、

友達”あまのじゃく野郎T”のところに遊びに行くつもりだった。

夜9時半、晴れである。

さて、ガソリン入れて行くか。

「そうだ。VTRの時のタイムを軽く更新しよう」

このセリフがのちのち自分の浅はかさを証明することになるとは、

このとき思っていなかった。


 そして私は近所のJOMOでハイオクを満タンではなく10Lほど入れ、

いつもどうり車体を傾け、アクセルを回す。

途端に後輪が滑り出す。

理解に苦しんだ。何事!?傾いたままグリップが戻り、

自慢の164馬力が後輪を跳ね上げる。

私の視界のコンクリートが90度回った。

衝撃と同じに視界の中から一瞬で消えた左ミラー、後輪が浮いたままバウンド、

180度降りまわされる、

右カウルのこすれる音と飛び散るカウルの破片、

さらに馬力を見せるブラックバードは車体を左に倒す。

左をこすりながら停止。


 私は右手でエンジンを停止させ、変形したクラッチレバーから左手を離す。

立ちあがれず冷たい路上に座り込む。

路面が夜露で濡れている。原因はコレか。気づかなかった私のミスだ。

脱いだヘルメットが少しえぐれている。ジャケットに穴が開いた。

ギャラリーやJOMOの店員が見ている。

私は空を見上げた。キレイな満月だ。

 結局誰も手伝ってくれず、重たいブラックバードを起こし、

左ミラーウィンカーを抱え、帰宅した。

庭でアンダーカウルをはずしながら、ほんとに申し訳無い念にかられた。

路面を見れないとはライダーとして失格である。

冒頭のセリフが胸をえぐる。
笑うしかないっスよ 












 教訓、濡れた路面は滑る!当たり前だが滑る。というより路面見ろ!

以来、私は月を見るたび思い出すわけで、

現在ブラックバードはフロントフェンダー、アッパーカウルにひび。

アンダーカウル無し。両サイレンサー傷物。フレーム変形である。

交換できるものは交換したが、金銭的に現状はこのままが続くと思われる。



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