渡辺さんの俳句傑作選






2013年 4月の俳句





コンビニで税金納め四月馬鹿
                         最近はコンビニが銀行の窓口になったり
                       郵便局の窓口のような働きをしている。
                   とにかく、ちょっとした物の買処、
                      くらいの認識しかない年代のものには、
                     ここはどこというような錯覚をさせる。
               コンビニの店員というのは、
                どこまでのことを覚えないと、
                    いけないのだろうという気がする。
               パソコンで管理してるから、
                        それほど頭はいらないのかもしれない・・・。
                     税金の支払いも管理しているようだ。
                       税務署の窓口まで請け負ってるわけだ。
              自営業のこちらとしては、
                 税金の支払いの時期が来ると、
                    コンビニのおばさんおじさんの顔が、
                いきなり普通に見えなくなる。
                  やましいこともないのになぜ・・・。
               やはり税金というに文字が、
                ギクッとさせる響きがあるのだ。
                  その響きがなんとも言えないのに、
            それがコンビニにあって、
                 おばさんおじさんに支払うのだ。
                             コンビニの建物が徴税吏の巣窟のように見えてくる。
                  いきなり親しみ感が消えてしまう。
              若干横目で見てしまう・・・。
                            やましいことがなければ堂々と目を合わせればいい。
                    それがそれがそうもいかないところに、
                 自営業という言葉の響きがある。
                 コンビニ…徴税吏かぁ・・・という、
                       なんだかドヨンとした雰囲気になるね・・・。
                                そういえば4月バカって嘘ついてもいい日なんですよ・・・。
                          でも、4月1日正午までって話もあるらしい・・・。









   口癖は冥土の土産万愚節     
                      還暦を超えてどのくらい前に進むと、
                出てくる言葉なのかなぁ・・・。
               冥土の土産に…この言葉。
                       若いときは年寄りがこういう言葉を聞くと、
           辛気臭いんだよ!と、
                      顔をしかめて見せたりしたもんだが・・・、
                  要するに嫌な言葉ってことだ・・・。
                          ところが自らがその還暦とやらを超えて幾星霜。
            いきなり冥土の土産に、
                    長嶋の国民栄誉賞を見ておこう・・・。
              などとつい言葉を滑らせる。
                         ここは松井君にはちょっとはずしてもらいたい。
                       還暦を大股に超えたくらいの者にとっては、
             長嶋なんだということだ。
                          富士山の世界文化遺産登録より意味が大きい。
                   富士山が世界遺産になったことを、
                    冥土の土産にする気もわかない・・・。
                          冥土に持って行っても誰も喜ばないだろう・・・。
                           長嶋のほうがインパクトがありそうな人が多そうだ。
                   還暦を大股で超えたくらいになると、
                       冥土の土産も厳選しなくてはいけなくなる。
                    あれもこれもだろ持って行ったものが、
                       なんだったか忘れてしまう恐れがあるのだ。
               サッチャー元首相や牧伸二は、
                     何を持土産に持って行ったのだろう・・・。
            このくらいの人たちって、
                以外に何も持って行かなかった、
                という話になるのだろうか・・・。
                        ケチだったからということもないと思うが・・・。
                      こういう話って万愚節の話って気がする。
                  どうでもいい話ってことですな・・・。








誤字脱字直すパソコン四月馬鹿
                事ここに至って思うことは
                    手紙が書けなくなったということだ。
                      日本語は特に忘れたわけではないが、
                              その日本語を形成する漢字が全く出てこなくなった。
                         とてもきれいとは言えないむしろ汚濁字で、
                   スラスラッと手紙を書きはじめる。
                 最初の拝啓くらいは大丈夫だ。
                お元気ですか・・・までいける。
                そこから本題に入るところで、
                  だいたい漢字がわからなくなる。
                          小学生くらいの感じがピタッと出てこなくなる。
                  これは結構プライドが傷つく・・・。
                             こんな漢字がというほどの漢字が出てこないのだ。
              せっかく書き始めた手紙。
                     手紙という語感もなかなかいいから、
               なんとか書き続けたい・・・。
             歌謡曲の歌詞なんかに、
                      意味深で出てくるのが手紙という漢字。
                          テレビの下に出てくる歌詞にも漢字で出てくる。
                               還暦を超えたくらいの年代には独特の響きがあるのだ。
                     その手紙が書けなくなってしまっている。
                     パソコンで変換して書いてしまうのが、
             原因だとわかっている・・・。
                   分かっちゃいるけどやめられない・・・、
              っていう年代でもあるのだ。
                  まあ、そういうことなんだろう・・・。
                       いかにも四月馬鹿っていうはなしだな・・・。









留守番は掃除ロボット万愚節
                      最近話題になっているお掃除ロボット。
                          円盤型のロボットが部屋を回って掃除をする。
                終わると元の場所に戻って、
                         自動的に電源が切れるという優れもの・・・。
                 このお掃除ロボットに限らず、
                  介護ロボットも注目されている。
                       我々の時代で一斉風靡した鉄腕アトム。
                       鉄人28号などのロボット漫画の世界が、
                     なんだか身近になってきた気がする。
                 会話までするのがいるそうだ。
                            ロボットが自分の身近に存在するようになったら、
                       どうだろう・・・どういう反応をするだろう。
                     なんか少し考えてしまうではないか。
              ロボットに朝起こされて、
                  ロボットに朝食が運ばれてくる。
          軽い会話もできる。
                        そんな状況を想像してみるのも楽しい・・・、
              かどうか微妙ではあるね。
            経費的にはどうだろう。
                 家政婦のおばさんを頼むのと、
                      ロボットを一体購入するのとどうだろう。
                        ロボットのほうが一見安上がりに見えるが、
                              結構、故障だのなんだのメンテナンスにかかりそうだ。
                              精密なだけに経費もかなりかかるとみたほうがいい。
                   そうするとやはり家政婦かなぁ・・・。
                            いや、やはりお相手さんが一番安上がりかも・・・。
                             こんなことはここだけの話っていう典型ですな・・・。








 朝食は五色のサプリエイプリールフール
             ダイエットをしていると、
                          一日の三食を一食づつ解剖してみrたくなる。
                    朝は何を食べて出発すべきか・・・。
                   昼は何を食べたら夜までもつか、
                                  夜は何を食べたらカロリーの取り過ぎにならないのか・・・。
               結構いじいじと考えている。
                思いつくたびに実行に移す。
                  実行に移したらまた考え始める。
                          意外と堂々巡りをしていることが多いのだが、
                    本人はいたってまじめに考えている。
            それだけ考えた挙句に、
                   その考えて実行しただけの効果が、
              メキメキ上がるかというと、
                だいたい何も変わらない・・・。
                よしと思って体重計に乗ると、
                  なんにも数字は変わってない・・・。
                         下手すると、ひとメモリくらい増えていたりする。
                      こういう結果は結構ショックなわけです。
                        それでもダイエットという目標に向かっては、
               いささかも気力は衰えない。
                               ダイエットに朝食はサプリメントで済ませるという人種が、
                        出てきたという話をテレビで見たことがある。
                        ビタミンが配合されてる錠剤のようなものだ。
                       配合だなんていうと家畜の飼料のようだが、
                    まあ、人間も何種類かのビタミン剤を、
               配合して食べるという光景は、
                なんか動物の飼料的雰囲気だ。
                それで効果があるという答えと、
                気休めで体に悪いという意見と、
                           どちらがエイプリールフールなんだということだ・・・。
                        これって結構難しい答えって気がするが・・・。






句会員の句


根枯せずかわいく満開クレマチス





主催者吟


傘を打つ刻み軽やか皐月雨

方丈記手に取り落とす万愚節

蕪村の句侘び寂びなしとチューリップ

いきなりの冷たき風や啄木忌

畦道をふざけ歩いた里の春




メニューへ



topへ