渡辺さんの俳句傑作選
2014年 7月の俳句
オンザロック窓にかすかな遠花火
今年の夏は東京湾大花火大会が中止。
夏の風物詩の花火大会。
全部が中止ということもないと思うが、
なんとなくトーンが低い。
あれ?やったの・・・、
というようなマイナーな反応になってしまっている。
だいたい今に時期に花火大会の話が出れば、
どのくらいそれがよかったかの話で、
盛り上がるのがふつうだ。
写真のうまくい撮れたとか何とか・・・。
今年はあまりそういう話題がない。
台風が次々と日本を訪ねてくるせいだと思うが、
まあ、テレビの雨の凄さと、
その被害の状況の凄さで、
テレビのニュース、ワイドショーの話題がうまってしまう。
NHKになると台風11号関連で、
一日中台風関連のニュースで終っていた。
東北のお祭りも中止名になったりしたから、
大きなニュースではありことは確かだ。
窓からはるか遠くで、
ポコーン、ポコーンと上がる花火を見ながら、
ちびりとオンザロックをなめながら、
夏の風情を楽しむというのも、
この時期の少ない楽しみの一つだと思う。
しみじみした気分を楽しむ、
今の時期ならではだと思う。
台風は損な楽しみも吹っ飛ばしてしまう。
ため息ばかりの夏というのもなんだか風情がない。
最近の気象条件は、
ささやかな楽しみを、
ささやかに楽しむ余裕も与えてくいれない・・・。
夏至の日やズボンの裾はシングルに
夏至というのは梅雨の時期にあるせいか、
昼が一番長くなるといわれても、
なんだかピンとこない。
今日は夏至ですといわれてもハァ・・・、
ってな反応でたして意味も感じない。
これが北欧などに行くと、
なにしろかの国は日照時間が少ないお国柄だから、
昼が一番長いこの日は、
大事な季節の中のダイヤモンドのような日。
この時に特別休暇なんてもあるくらい・・・。
日本にいるとまあそこそこ日照時間は冬でもあるから、
重要度ははそれほど意識はされない・・・。
実際は真冬の最も短い昼間の時間とは、
5時間くらいの差がある。
昼が長いからといってそれほどやることもないが、
夜が長くなると、
なんだかごそごそとゲームでも何でも、
やる時間が長くなる。
現代日本人は夜型なのかも・・・。
北欧の人が聞いたらムッとしそうな状況だ。
ズボンの裾をシングルにするかダブルにするか・・・。
ダブルでも特に構わないであろうが、
やはり夏至という昼間が長くなったという気分では、
このシングルという響きがいいね。
シングルという響きと、
スッと止まりなく靴を通って地面に達する、
ささやかな爽快感は、
なかなか日本人的ないい感性だ。
川端康成あたりが喜びそうな感性ともいえるかも・・・。
夕焼けの校庭にある土俵かな
最近の大相撲は白鳳の40回目の優勝と、
遠藤、大砂嵐の人気で大盛り上がりということだ。
横砂の日馬富士や鶴竜の横綱がいま一つ・・・。
日馬富士は負けて当然みたいになってしまって、
金星配給係になってしまっている。
金星一つにつき場所ごとに、
5万円が支給されるというから結構おいしい。
金星が10個あれば、
毎場所何にも言われず50万円は、
無条件に懐に入る計算だ。
日馬富士が、
その金星配給横綱になってしまっているのが悲しい・・・。
なかなかいい顔をしていて、
教養もありそうな雰囲気がいいのだが、
実力とはあまり関係ないのが惜しい・・・。
大砂嵐は見るからに強そうでいいのだが、
ちょんまげが結えるうちに、
しっかり稼がないといけない。
一時は八百長で大揺れに揺れた大相撲。
ここにきて満員御礼が出るところまで、
人気が回復してるようだ。
相撲の盛んな地域の学校の校庭には、
相撲舞踊の土俵がある。
将来の横綱を目指して、
稽古する少年たちを鍛える土俵は、
「青春とはなんだ」ばりの夕日がいいね・・・。
「青春とはなんだ」世代じゃないとこれは通じないか・・・。
七月の新しき街虎の門
新しいビル虎ノ門ヒルズ。
新しいから日が当たっていると神々しい・・・。
まあ、縁はなさそうだが、
ビールくらいは飲めそうだ。
ここに芝生のビアガーデンがあるのです。
なんだか一味違って飲めそうなのがいい。
それ以外では近づけそうにもない。
ちょうどこの夏に合わせて、
完成オープンさせたところが憎い・・・。
空に近くなったところでビールを飲もうということだ。
空に近くなって、
そのまま空に向かって足が地上から離れて、
さよならはしたくはないが・・・。
こういう高層な場所で飲んで地上に降りると、
そのギャップがなんとも言えない気分だ・・・。
やはり高いところから一番低い地面へ足をつけると、
気分も低いところに着地するのだろう。
ま、出来たての真新しさがあるから、
そのへんの気分の下支えはきっちりできてるのかな・・・。
と、思う・・・。
ここの家賃がまた凄い。
ひと月に163万円・・・。
1LDKでも60万円・・・。
虎の門という土地柄もあるが、
なかなかの高額な数字・・・。
礼金敷金ゼロ・・・。
そう言われてもって感じはするが・・・。
まあ、なんたって全く縁がないから、
何でもいいわけだが・・・。
これから次々高層ビルがったっていきそうだが、
遠目で眺めるだけで終りそうだ・・・。
読みかけの赤毛のアンや金魚草
いま、NHK の朝の連続ドラマの主人公。
村岡花子が凄い視聴率を稼いでるようだ。
「赤毛のアン」を翻訳したということが、
大きな物語の柱になっている。
甲府出身ということで貴重なBigNameとなっている。
山梨というとすぐ頭に浮かぶのは武田信玄。
地元の人の間ではいまだに、
武田信玄公と公をつけて呼ばれてるということだ。
まあ、全国区の名前であることは確かだ。
そこに現れたのが今回の村岡花子だ。
武田信玄に次いでのBigNameになりそうだ。
地元では駅前に名前の書いた垂れ幕も下がっているようだ。
また視聴率がこれまた最近では、
最高の視聴率をたたき出している。
「あまちゃん」「ごちそうさん」、
これを抜きさしての視聴率らしい・・・。
主演の吉高百合子は嫌われ女優の筆頭だったのが、
この連ドラで大ブレイク。
平成の吉永小百合とまで言われてきている。
この端から端までの評価の変わり方が凄いといえば凄い。
この連ドラが凄いのは、
共演している俳優たちもメジャーに押し上げたことだ。
仲間由紀恵と駆け落ちする、
中島歩は国木田独歩の玄孫ということで、
一気に知名度が上がった。
一本のドラマのヒットが俳優たちの運命も変えてしまうという、
すさましい話がくっついてきているドラマだ。
赤毛のアンの翻訳本もどっと本屋に並んでいる。
これも凄い効果だと思わざるをえない・・・。
まあ、毎日見ているが面白いね・・・。
句会員の句
待つ間一句と思えど雲の峰
炎天に道案内の可愛い娘
久々に妹帰国新茶買う
人多し祭りの駅の路見えず
主催者吟
治療待つ夏の日差しやモーツァルト
赤信号見上げる先の雲の峰
そよと吹く風も台風急ぐ帰路
梅雨明けて猛暑に霞む通勤路
夜祭の人波に入る歩幅かな
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